<ジャパニーズネロリの発信拠点・水俣に>
森田氏は毎年、ネロリの花摘みツアーを行なっている。
「どうしても水俣には、以前の公害のイメージがあるかと思います。ですが現在の水俣は、海も空もみかん畑も、光あふれる本当にきれいなところです。そういったところを見てほしいという思いがあって始めました」と森田氏。
花を摘むことでリラックスもでき、参加者に水俣の良さもアピールできる。また、甘夏などの柑橘類は栽培するうえで間引き摘果の作業が必要となるが、花摘みツアーを実施することでその作業軽減となるうえ、ツアーが収益事業にもなり、おまけに参加者もリフレッシュできる。現在、生産者の高齢化問題などで耕作放棄地が増加傾向にあるため、このような取り組みで、少しでも軽減できればと考えているという。これは、森田氏が会社を設立する以前から取り組んでおり、もちろん現在も続けている。きちんとした収益を生み出し、生産者にバックしていくような仕組みづくりが目標だ。
「"甘夏ネロリの里"という構想を持っています。甘夏は日本での突然変異でできたものですから、甘夏ネロリは日本にしかありません。水俣にはせっかく多く自生しているのですから、それを活かしていくことです。水俣が"ジャパニーズネロリ"というブランドを発信していける場所になればいいですね」(森田氏)。
本来のビターオレンジのネロリよりも、甘夏ネロリは優しい香りで化粧品向きだという。森田氏はこれからも、"ジャパニーズネロリの里・ミナマタ"として世界から注目される日を目指し、活動を行なっていく。
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■甘夏ネロリの里花摘みツアー2012 in 水俣
5月3日、5日に水俣にて、ネロリの花摘みツアーが実施されます。
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<プロフィール>
森田 惠子(もりた・けいこ)
(株)ネローラ花香房代表取締役。20代の頃からYMCA、YWCAなどの国際協力団体で、アフリカ、アジア地域との国際交流事業に携わる。NPO法人「くまもとレインボープロジェクト」の代表を務めていたなかでの縁もあり、ネロリを使った化粧品に携わるようになる。2009年1月に法人化し、事業を本格化させた。
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