<さー、勝負の行政改革の行方は>
高島市長は昨年11月を過ぎてから、『来年は行政改革の遂行が勝負だ』と強調し始めていた。行政改革を遂行するのであれば、まずは手始めに「お抱え公用ハイヤーの運転手の民営委託を実行すれば良いのに」と思うのだが、これはいまだ実行されていない。高島市長からは、体内から湧き出るような"改革の熱意"が伝わってこないのが残念だ。『行政改革が勝負』であれば、市民を集めて得意の弁舌を披露していただきたいものである。
この2週間前のことである。弊社の行政記者が「近々、福岡市で大発表があるようだ。高島市長が吹聴しているようだ」と伝えてきた。「2012年の新年度になったから、行政改革プロジェクトに関するプレス発表だろう」と予測はしていた。
案の定、北川氏(早稲田大学教授・元三重県知事)を福岡市顧問に迎え入れた。この北川氏の実績を活かして、『行政改革プロジェクト』をスタートさせるのか。しかし、それよりも何よりも、高島市長自らの基本骨格の構想を聞きたいものだ。丸投げではいけない。
高島市長!!この行政改革に対する"本気度"を示してください。
<全国の一翼を担う闘志を示せ!!>
『行政改革』、『財政改革』という言葉が地方行政の世界では流行っている。
ただし、「改革」と叫んでも『国の根底の成り立ちをどう変えるのか』、『自治体の仕組みをどう変革するのか』という首長の哲学に根ざしたものではないと、厚い壁に立ち塞がれた途端、『改革』そのものが変質してしまう。
要は『地方自治の自立』という根底の目標設定を立てて『改革の旗』を振り続けることである。
となると『高島市長は改革派市長か?』という設問の答えは「改革派は疑わしい」となる。 たとえば、『橋下大阪市長の"維新の会"』と連動するような情報発信をしていないからだろうか。どうも橋下市長は「高島福岡市政」を改革派として認知しておらず、評価もしていない感じだ。時代の流れに鋭敏なはずの高島市長の動きが鈍いのには腑に落ちない。
橋下市長は「大阪都市構想」を強調する。石原東京都知事は「大首都圏の強化」を説く。河村名古屋市長は「中京圏の経済力の再構築を目指す」と宣言している。彼らは、「もう日本政府はあてにならない。各地域自治体が国際経済戦争に対応できる自力を付ける」と地域自立論を宣言しているのだ。筆者は彼らに対して「ふざけるな!!九州もあるぞ」と叫びたくなる。
高島市長にはここに割り込んでいただきたいのである。「おっとドッコイ!!福岡を先頭にした北部九州ゾーンもアジア市場に切り込む先進地域にして見せる」という、地域主権戦略の気概を吠えてみせればいいのだ。この"闘争精神の発露"が欲しい。そうなれば形勢逆転の芽もでてくるかもしれない。
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