<上海互恵JAPANが目指すものは?>
日中経済交流のキーワードである「小心、決心、恒心」のうち、一番重要な「小心」は前回説明した。2番目の「決心」は文字通り、中国進出や中国との取引を決めることである。では最後の「恒心」はどういう意味か。「恒心」とは、あきらめないことであるという。
上手くいかないのであれば、早めに撤退した方が良いと思うので、さらに追及してみた。
魯氏からは、「小心を充分にして進出や取引を開始したのであれば、撤退をしない方が成功する確率が高いのです」という意外な答えを得た。さらに、魯氏は「日本の会社の一部は、中国進出を果たしても、早い時期に撤退されることがあり残念に思っています」
と付け加えている。現地パートナー選び等他にもいくつか成功構成要因があるが、読者には、一つのヒントとして、そのままお伝えする。
上海互恵JAPANの社是は「まこと」と「まじめ」である。「誠な人生と、真面目な仕事振りの実践によって、より高い次元の平等に近づける」と明記されている。さすがに哲学博士である。
魯氏は、「誠実は現代社会発展の保証です。しかし、中国では、現在、伝統中国思想が変異し、さらに"権貴資本主義"が横行しています。誠実は皆が最も望んでいることなのですが、実践が難しくなっているのです」という。
上海互恵JAPANのホームページには、いかなる場合も「誠実」を貫くと明記されている。
<中小企業は今、中国進出のチャンス>
魯氏は、「先の李克強副首相の演説にもありましたように、今、中国は新しい方向に舵を切ろうとしています。円高も当分続くと思うので、日本の中小企業が中国に進出する絶好の機会です。日本の中小企業は優れた技術力や設計力を持っているので、自信と誇りを持って日中ビジネスを活発化させて欲しいのです」と言う。特に環境ビジネスは、今以上に必要性が増すことは間違いないという事である。
中国の諸事情を理解しながら、「小心」を忘れずにビジネスを進めることができれば、きっとうまくいくはずであるという。その為に、魯氏が役に立てる点があれば、ビジネス、時にはビジネスを離れても協力を惜しまないという。ありがたいお話だ。
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