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電力供給の"見える化"~「スマートグリッド」の今後(3)
特別取材
2012年5月 7日 07:00

<エネルギーの"見える化">
_sora.jpg スマートグリッドの本格導入が実現すれば、各家庭やビルなどに設置される情報端末により、「電力が今、どれぐらい使われていて、あとどのぐらい使いすぎるとピークに達してしまうのか」ということが分かる。リアルタイムのエネルギー使用状況が目に見えるようになる。

 情報システムを開発、導入することでビルごとに「どの程度の電力を使っているのか」「このビルは、どの季節の、何時ごろが電力使用のピークになるのか」「何時から何時まで電力を多く必要としているか」などの状況がCEMSで把握できるようになる。その隣のビルに関しても同じことが言え、たとえば、ビル(1)で電力が足りていなければ、ビル②で余っている電力をビル(1)に"賢い送電網"により回すことができるようになる。これにより、都市全体の電力を効率的に使うことができ、電力のピークを下げることが可能となる。
 住宅やビルに取り付けられたHEMSやBEMSの情報端末により、天気予報を見るような感覚で、住んでいる地域の電力供給の状況を「見る」ことができる。

 将来的には「現在使っている電気のエネルギー源は何か?」「現在使っている電気料金はいくらか」などを端末で見ることができるようになる。

<電力使用のピークを下げる>
 スマートグリッドは、電力使用のピークを下げる「ピークカット」と、電力使用のピークをほかに移す「ピークシフト」に特に効果を発揮する。「ピークカット」は、他地域など電力使用の少ないところから使用の多い地域に融通する、あるいは、多い地域での電力消費を抑制するなどしてピーク需要を下げること。「ピークシフト」は、ピークになりやすい昼の電力使用を、消費が少ない夜や朝に移すこと。統括管理を行うCEMSが、地域の電力使用状況を高度のIT技術で把握、統御することで、地域の電力使用を最適化。電力消費のピークを低く抑えることが可能となる。

 電気は保存が利かない。発電した電気はすぐに使用しなければならず、現在の電力会社は、ピーク需要を見越してそれに対応できるだけの供給能力を持たなければならない。ピークを下げ、ピークをシフトすることができれば、全体の供給能力を少なくすることができ、発電の効率、発電所の稼働率を格段に上げることができる。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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