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特別取材

電力供給の"見える化"~「スマートグリッド」の今後(4)
特別取材
2012年5月 8日 07:00

<「ピークカット」の効用>
 大規模な蓄電池が開発されない限り、現在の技術では電気は保存(蓄電)が不可能である。その季節、その時間帯の需要に合わせて発電するため、ピーク需要に合わせて発電力を上げる必要がある。これまで電力会社は、ピーク需要に合わせた設備投資を行なってきた。原子力発電所が各地域に作られていったのは、日本の経済発展とともに電力使用のピークが上がっていったためでもある。

 しかし、ピーク時以外は、その発電設備はフル稼働していない。スマートグリッドの導入により都市全体の電力使用のピークを切り下げることができれば、過剰な発電設備を減らすことができる。

 名古屋大学理学部の高野雅夫准教授によれば、1985年時のピーク時の電力使用まで下げることができれば、原子力発電所をすべて止めても問題ないという。
 スマートグリッドの発展で、この「ピークカット」が実現できた場合の効果は大きい。

<蓄電池の応用>
0508_yokohama.jpg ピーク時だけでなく、災害が起きた際に今後、必要、かつ効果的に使えるものとしてEV(電気自動車)がある。電気自動車に搭載された蓄電池を使って、家庭用の電源などに活用できる。ピーク時以外に蓄電しておいて、ピーク時に電気自動車からの放電で家庭の電気を使用するなど、ピークシフトに効果を発揮する。

 横浜スマートシティプロジェクトでは、NEC、明電舎、日立製作所、日産自動車、オリックスなどが、蓄電池によるエネルギーマネジメントシステムの実証を進めている。今後、EVの普及が進んだ際に起こりうる事象の検証も実施。EVを大量導入した際に対応できるEV充電スタンドのインフラ整備のほか、充電スタンドの予約、配車などのシステム開発なども進んでいる。

 横浜市では、「蓄電池に充電する際に、どこにどのような渋滞が起きるか、渋滞が起きないようにするためにどのような対策を取るか」などのEV導入を推進するための具体的な実証も行なっている。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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