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「日本型スマートグリッド」を国際的なブランドに~「スマートグリッド」の今後(5)
特別取材
2012年5月 9日 07:00

<日本型スマートグリッドの輸出>
yokohama.jpg 横浜市の行なう横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)などの実証試験と、その後の実現に向けたインフラ整備には多額の投資が必要だ。国内4都市での実証試験で約106億円の予算が投入されている。実証後のインフラ整備にはもっとお金がかかるだろう。省エネ、低炭素化、都市の住みよさや安全安心、エネルギー供給の安定につながるが、国の経済を考えると、その多額の投資分はきっちり回収しなければならない。どうやって回収するのか。

 この横浜市、北九州市などでの実証で得たノウハウを元に「日本型スマートグリッド」を確立させ、日本の高い技術力によるスマートグリッドのインフラを海外に輸出する。新幹線などの鉄道を輸出するのと同様、日本型スマートグリッドをアジアなど新興国に売り込むことができるレベルまでに持っていく。

 横浜市のYSCPは、規模、スピード、先進性、ユーザー満足と4拍子そろったスマートシティを世界に先駆けて実現し、これを海外での都市に応用できるようにするという意義と使命を持っている。

<世界の潮流に>
 検証を重ね、改善し、その後、普及啓発を行なっていく。1つ1つの技術のレベルは、日本最高峰のものを集めている。横浜市のプロジェクト推進課の名倉課長は「市民のためになり、事業者のためになるものを作り上げなければならない。実証試験は残り4年間ありますので、中小企業の技術も取り込んで、地域活性化につながるように働きかけたい。海外だけでなく、横浜市で試験して実証したシステムが、東北にも導入される構想も出ています。東北の復興を加速させることにつながればと思っています」と語る。

 スマートグリッドには、欧米だけでなく、中国、韓国も続々と開発に乗り出している。IT活用、電力使用状況を把握するシステムの構築、EVなど、技術力の高さでは日本に分があるが、それだけでは勝てない。品質、コストパフォーマンスに加え、現地に入っていく巧みさなども兼ね備えなければ、主導権争いで先行したアメリカ、戦略的に進めている中国などに勝ち切るまでにはいかないだろう。

 ライバルは多い。
 
 日本型スマートグリッドの実現は、東日本大震災で原発事故を体験した日本の底力の見せどころでもある。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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