日本最大のネットショッピングサイトの楽天は、5月末にパイドゥ(百度)と合資で開設したショッピングモールサイト「楽酷天」を閉鎖すると公表した。これは楽天が中国市場進出で大敗を喫したことを意味している。楽天が中国で敗れた原因は、中国のeコマース業界競争が熾烈を極めていることにあると分析されている。
データによれば、2011年中国のオンライン取引額は8兆元(約100兆円)近くにのぼるが、中国全体で小売品の総額が占める割合はたった3%にすぎない。市場基盤が整備されていない前提でも、中国のeコマースは大きな発展の余地を残している。2011年末現在、中国のeコマース商は15万社を超え、競争は日々激化している。しかし「楽酷天」の失敗はさらに奥が深いもので、その原因を振り返る必要がある。
業界関係者によると、「楽酷天」は成立から現在まで、パイドゥと楽天の折り合いが悪く、常に経営不振やトップ交替というマイナスの情報が伝わってきたという。
2010年設立時に、両社は共同で5,000万ドル出資し、持株はパイドゥが49%、楽天が51%だった。ビジネスモデルは基本的に日本の楽天と同じ方法で、出店者から直接出店リース費とコンサルティングサービス費、広告費用等を受け取るというものだった。京東、淘宝(タオパオ)、凡客(VANCL)、といった中国ベースのeコマース商が突然新しい勢力となってきたなか、楽酷天の市場はなんとか満足できるものだったが、成立2年にしてすでに1億元以上の欠損となっていた。
しかし他の電子商に比較すれば、この欠損は大きいとは言えない。実際、楽天とパイドゥは共に実力があり、楽酷天が中国で敗退した原因は資金面によるものではない。鍵は楽天のローカリゼーションの途中で管理にすれ違いが生じたことにある。さらに楽天側は、電子商は中国式のやり方をすべきでないと考え、市場戦略は保守的であった。
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