<「アジアの世紀」本格到来>
2050年に世界上位を占める2大国のなかでも、逆転が起こる。予測では、中国は25年にアメリカを抜き、世界第一の経済大国になる見込み。新興のアジア各国が順調に成長を続け、各国の抱えるリスクをクリアすれば、50年には世界のGDPの50%以上をアジアが占めることになるという。1人当たりGDPでは、11年の欧州の水準にまで上がることが予測され、50年までの38年間で、アジアは最も経済の発展するホットスポットになる。
中国、インドの躍進は言うまでもなく、インドネシア、ベトナムのASEAN諸国の急成長。ミャンマーなど注目すべき新興国も台頭してくる。なかでもインドは、50年までに、中国を抜き、16億9,000万人を有する世界一の人口大国になる見込み。GDPでは日本を抜き、世界4位の座に就くことが予測されている。
まさに、「アジアの世紀」の本格到来となる。
<アジアの活力を取り込め>
日本にとっては「アジアにモノを売っていく」ことに加え、逆に「アジアからの投資を呼び込む」ことが必要になってくる。
石附主任研究員は「日本に投資してもらうことで、資本の減少を食い止められる。日本のサービス力、ホスピタリティは世界的に見ても高いレベルにある。日本の強みを活かしつつ、さらに、ビジネスマンもより質の高い労働をすることを心がけていく。また、アメリカが実現しているように、高度な人材を海外からもっと受け入れるべきでしょう」と語る。
アメリカは言うまでもなく、香港などでは高度人材だけでなく、東南アジアからのホームヘルパーなどを多く受け入れており、彼らの活力がその国の経済の一助になっている。
現在、日本では外国人受け入れに関して、高度な人材についてのみ、その基準などが検討されている。日本は、制度にしても感情面にしても、海外からの人材受け入れに排他的な部分を持っている。リスクはあるだろうが、閉鎖的なまま、このまましぼんでいくのか、意識を変えるのか。
「鎖国的であるというのは、経済的に考えても効率的ではない。海外からの人材を多く受け入れることに関して、急に実現するのは難しいでしょうが、一歩ずつ、あるべき方向に向かって進むしかないのではないかと思います」(石附主任研究員)
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