福岡市土地開発公社用地係長の贈収賄事件について、匿名の読者の方よりいただいたご意見メールを紹介いたします。

　福岡市役所職員の不祥事について、飲酒運転は別として、贈収賄の原因は明らかに人事政策の誤りに起因していると思います。市役所の人事を見ていると、人事畑、財政畑、企画畑ばかりを螺旋（らせん）階段で出世するエリートコースに乗る人と、福祉畑、用地畑、税務畑などこの道一筋40年という、飼い殺しみたいな人がいます。最初は使命感を持って役所に入っても、「専門性が強いからその分野で一度育てたら、希望してもなかなかよその部局に出してもらえない」状況になり、歳をとれば、本人も今更ほかの分野に挑戦する意欲もなくなり、まず、今の分野でつつがなくのんびりしようと思います。思うだけならいいのですが、変な悪知恵がついて、少しは甘い汁を吸うようになります。

　贈収賄の事例を見てみると、用地畑が長かったとか、ロボット事件で逮捕された奴も、５年も１人で主査として大金を動かしていたとか。人間は弱いものです。弱いからこそ、物理的に不正ができないようにするために、人事異動が必要なのです。新規採用職員は10年間に３つの職場を経験させるという方針変更がやっと定着しましたが、問題なのは、この道一筋40年という連中です。いわゆるボスを頂点として、局長が誰になろうと、どうせ２年の辛抱とやりたい放題です。

　このような状況を招いた責任は「高度の専門性」という言葉を錦の御旗に、この人には過去にこの分野の経験があるということだけで判断する、人事異動の怠慢が原因です。過去の教訓が全く生かされない人事政策が、組織腐敗の原因です。血液はサラサラと流れないと、ドロドロ血では血管が詰まり、組織が腐るのと全く同じ理屈です。

　貴重なご意見ありがとうございました。

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