<無責任を貫く!?>
DeNA の決算短信には、モバオクなどEC事業のリスクに関して、『当社グループの会員規約においては、出品された商品などに関する一切の事項や落札後の取引などについて、当社グループが何らの責任を負わない旨、明記されております』と、きちんと、トラブルに対して「責任を取らない」旨を書いてある。
違法商品の出品、詐欺行為などに関して監視を行なっているようだが、実態を見ると、すべての出品物に対しては目が届いていないようだ。上野さんのようなケースでは、オークションページの写真に掲載されていた商品と別のものが送られてくるわけだから、監視のしようもないのが現状だ。
山形さんは、「自分は、こういう悪意のある出品者を許せないし、許すとまたやるだろうから、お金と時間は被害金以上にかかるだろうけど、回収するまで最後まで戦うつもりです」と話す。運営側が無責任を貫き、何もやらないのであれば、その正義感が、悲痛にも思えてくる。
<ユーザー保護の必要性>
急激に進歩したインターネット。その進化のスピードに乗っかるように、発展、拡大してきたDeNAなどのインターネット企業。ゲーム事業の利益率は、非常に高く、ユーザーが、ゲーム内で買うアイテムなどの課金で利益を上げている。モバイルオークションは、月315円の利用料と、オークションを利用した時のモバペイ(払い込み)の手数料のみで、売買ができるという手軽なシステムだ。確かに便利で、インターネット上で楽しめるゲームのエンターテイメント性も高い。
先日規制されたコンプガチャは、射幸心をあおるということで、消費者庁は景品表示法に触れるとして同法の運用基準を改正することを発表した。半面、ユーザーが使ってしまったお金は、「自己責任」によるものでもある。
だが、ネットのシステムを悪用したオークション詐欺などのサイバー犯罪には、悪意が存在する。その分、たちが悪い。顔の見えないネット上で、お金と商品が動くのであるから、名前と住所、電話番号ぐらいは、システムとして運営者側が責任を持って、正しい情報を双方に提供すべきではないだろうか。現在のようなシステムのままであれば、警察などに被害届を出すまでには至らない、表に出ない水面下の被害が増えるだろう。
運営会社側も、補償の充実やシステムを使った詐欺行為監視の強化など、もっとユーザー保護に積極的に動いてもいい。
DeNAは、球団を買う前にするべきことがあったのでは!?
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