<硬直した身分制度の廃止職員基本条例の導入>
このような不安定な状態であるならば、市役所という組織にとっても、市職員にとっても、そしてもちろん市民にとっても不幸なことである。民間企業では、そのような社の風土や業務に合わない社員を抱えておく余裕はない。当然、合わない社員は自然淘汰されていく。その結果、その本人も転職を余儀なくされる。これまで終身雇用制が中心であった日本社会においては、「転職」は人生のレールを外されるかのような出来事だ。また、現状のように就職状況が厳しい状況下においては、「転職」というのは大変なことであり、苦しいことかもしれない。
しかし、大手企業や大企業でも倒産する現在社会においては、「転職」はもはや日常の出来事になってきている。また、転職する本人にとっては、自分の適性に合った仕事と出会うことができる機会となるのだ。まさに、「ピンチはチャンス」でもある。マイナスだけでなく、プラス面も認められるのである。公務員の世界でも、硬直した身分制度を廃止して、このような流動性を導入しようとしているのが、橋下市長ら「大阪維新の会」によって進められている「職員基本条例」である。
福岡市役所においても、早急に職員基本条例を制定し、公務員としての適性を欠く職員は、その職員本人のため、そして市民のために、分限処分により退場していただくことができるようにするべきである。そしてさらに、行政サービスのよりいっそうの向上ためには、成果主義の導入などが考えられる。過去に読者からの投稿でも指摘されていたように、現行の「人事評価制度」を、頑張った職員が報われるように、職員のやる気を引き出すように見直すことが必要である。
かつて福岡市役所で実践されていた「DNA運動」などのようなTQC活動も、日々の業務改善をシステム化していくという視点からは当然必要となってくるであろう。市民と接する現場を中心に業務のあり方を見直していくことにも役立ち、行政サービスの向上に直接結びつくものであると考える。
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