<争点は上関原発>
山口県熊毛郡上関町には、中国電力による上関原発が建設予定であり、この原発が選挙の争点の一つとなる。仮に原発建設が取りやめになり、建設を前提とした電源3法交付金が止まるとしても、上関町には、何かしら、地域経済を盛り上げるものが必要だ。
上関町、祝島のある田ノ浦は、クジラや海鳥など希少種の宝庫で、奇跡の海とも呼ばれている。飯田氏は「この奇跡の海を保全し、エコツアーを企画し、観光船を就航するなど、持続的な経済の流れを作りたい。そこで、人も働けます」と語る。田ノ浦を世界的なエコツーリヅムの場として活用、保全し、一次産業を食・エネルギー・観光・文化と組み合わせたより付加価値の高い「X次産業」として発展させ、山間地、漁村、離島に豊かさを取り戻す挑戦をする。たとえば、洋上での風力発電の売電収入を得る自然エネルギー事業を、農業、漁業などと組み合わせた、これまでにない産業を提案する。
<教育改革で未来に投資>
「これらすべてのベースとなるのは教育」だと話す。少子化が進み、日本が成熟社会へと進むなかで、付加価値の高い次世代型産業の確立には、教育の底上げが不可欠。国際的に日本が勝ち残るための、地方からの教育の底上げ、高度化、国際化を目指す。「今後日本は、中国、アジア各国と競争しなければならない。日本人は、デザイン、建築などの領域が得意。すぐにというわけではないが、その領域で専門的な教育を行なえる大学の創設できないかと考えています」と教育改革にも意欲を燃やした。
飯田氏が山口市で立候補を表明した22日、東京・首相官邸前では、再稼働に反対する脱原発のデモが行なわれた。では、「脱原発を成し遂げた後」をどうするのか?明確な設計図を描ける政治家は、今のところほかには見当たらない。「21世紀型の『持続可能な地域社会』を、ここ山口で実現したい。山口には、再び日本を変える力と可能性があると信じている」。他の政治家にはできないであろうエネルギー転換政策を「自らの手で推し進めたい」という飯田氏の自負と使命感が、立候補への最後の一歩を後押しした。
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