インターネットが急速に発展している中国には、数多くのニュースサイトが存在する。そのなかから興味深い記事をピックアップし、中国のいまをさぐる。
上海市の地下鉄運営会社「上海地鉄二運」が「下着がスケスケの女性」の画像を中国版ツイッター「微博」に投稿したことが物議を醸している。
この問題は、地下鉄運営会社が、上海の地下鉄車内で頻発する痴漢行為を防ぐために、女性は控えめな服装をするよう呼びかけたことに端を発した。この女性の画像はホームで地下鉄を待つ女性で、「このような服装で乗車すれば、間違いなく痴漢の標的になる」などの意見が添えられていたという。
この投稿が公開されたのは6月末だが、一気にネット上で話題となり、中国の女性団体からは、「服装は個人の好みで、このような服装をしていたから、痴漢をしてしまうというのは言い訳だ」「地下鉄運営会社が乗客の服装を制限する権利はない」などと、地下鉄運営会社を非難する声があがり、抗議のプラカードを持って乗車する女性客まで現れたという。
日本と同様、上海市の地下鉄でも、気温が高くなるにつれて痴漢の数は増えている。日本の公共交通機関ではよく見かけるようになった「女性専用車両」も上海地下鉄では、乗客自体の絶対数があまりにも多いため、「設置は困難」との見解を示しているという。また、中国の地下鉄では、自転車やバイクごと乗ってくる人や、動物を堂々と乗車させる人など、モラルを逸脱した乗客が多いこともあり、「上海地鉄二運」は時折、そのような乗客の画像を投稿しては、注意を促していたという。
今回の騒動に対し、地下鉄運営会社の広報担当は、「女性に対しての親切な注意だった」と釈明。投稿から1週間ほどたった現在、騒ぎはようやく沈静化している。
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