新エネルギー時代の到来を迎えるとともに経済性も兼ね備えたエコ技術が注目を集めている。塗料では、塗るだけで熱を抑えるものが続々と登場しているが、新たに熱抑制塗料システム「クールネスコート」シリーズの販売が開始された。
同シリーズは、現在、広く使われている反射型遮熱塗料とは違い、太陽光の反射に頼らないのが特長。従来型の遮熱塗料の弱点でもある、(1)冬には必要な熱をも反射してしまう。(2)年数が経つと塗膜が劣化し遮熱効果が著しく低下する。といった欠点をまったく違ったメカニズムで改善。そのメカニズムとは、特殊高分子マイクロカプセルのなかに配合された何種類もの相変化物質が固体から液体に変化する際に融解熱を奪い、塗膜の表面温度を低下させるというもの。さらに、特殊バルーンが魔法瓶のように保温性・断熱性能を発揮し、太陽熱などの吸収を防ぐ効果もある。
日本塗料検査協会による試験結果では、一般白色塗料の日射反射率はおおむね80%超のところ、N3.5(黒)が28.9%、N5.5(グレー)が42.7%という日射反射率が報告されており、「日射率に抑制されない温度抑制効果がある」という。
また、同シリーズは、2つの特殊高分子マイクロカプセルで暑さにも寒さにも対応しており、省エネ効果はもちろん、ヒートアイランド現象の緩和にも効果を発揮する。用途としては、屋根、屋上、外壁以外に車道や遊歩道、鉄道レール、タンク、冷却塔、冷却水配管など。実例としては、大阪府内公営団地(写真)、愛媛県内の小学校プール、宮城県内食品工場で使用されている。同シリーズの地球温暖化ガス排出削減への貢献に寄せられる期待は大きい。
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