75歳を起点にして「今まで培った経験を活かして社会貢献をし、ご奉公を完遂したい」と熱気に燃える人物を紹介する当シリーズ。今回は、福岡リーダーズ倶楽部の塾頭を務める綾戸一由氏に登場していただく。定年後は「妻と海外旅行を楽しむ」とか「親しい友人と酒を飲む」とか「趣味で余生を充実させたい」という老人たちが大勢のなかで「75歳を過ぎての最後のご奉公」を貫き、社会貢献に尽くす方々の闘いは清々しい。綾戸氏は「皆に、人生120年にすることを勧めていますよ。私自身は125年を目標にしています」と笑う。
<SNSを活用してコミュニティを創造>
福岡リーダーズ倶楽部は、「人間創造 感動創造 夢実現」という理念と、「1、元気な福岡、元気な地域、元気な会社をつくるリーダーになろう、2、社員、家族の幸せを通じ幸せな社会風土をつくるリーダーになろう、3、夢を実現する創造力、決断力、行動力を持ったリーダーになろう」という3つの目的に賛同し、所定の会費を納めた人なら誰でも参加できるという、経営者たちのネットワークだ。
福岡リーダーズ倶楽部に興味を持つ人は、若者から高齢者まで幅広い。それというのも塾頭の綾戸一由氏みずからfacebook を用い、多くの人たちに自らの活動を伝えているからだ。いまや世代を超えたコミュニティづくりにSNSの活用は欠かせない。塾の会員以外も情報を得られるように広く門戸を開いており、会員が提案する企画へ会員以外もコメントすることができる。そのほか、塾の方から、良きリーダーとなるために心得ておきたい訓示なども発信し、意識の向上に努めている。
<地域の元気は中小企業経営者が作る!>
綾戸氏は、「地域再生の力をつけないと、日本は良くならない。日本が元気であるためには、日本経済の9割を占める中小企業の経営者が地域再生の力を創ることが大切」だと語る。当倶楽部では、毎週火曜日に朝6時半から実践塾を行なうほか、会員同士が協力し、業績向上を様々な形で連携実践する、各種プロジェクトを実践している。
東日本大震災支援にも積極的に取組み、岩手で事業を創造し、雇用を促進していくプロジェクトも進行中だ。今年の秋もまた東北地方を訪れ、岩手大学、岩手ネットワークシステムの交流会にも参加する予定だ。その他、メンバーからの立案で、韓国への企業視察ツアーも行なった。ボランティア活動にも積極的で、先日の、北部九州を襲った水害時には有志を募り、被災地へ赴いた。
綾戸氏は語る。
「過去の高度経済成長、バブル期を経て、今は日本全国が永い永い低迷の時代に入っています。新しい価値観への移行期にも当たるこの時代を、社会的な改革に当てていくのが、私たちの使命だと考えています。しかし、この忍耐を要する時代を耐え抜くには、夢をきっちり持っていないといけません」
だからこそ、当倶楽部のスローガンには「夢実現」の一言が入っている。
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