<30名のつもりが245名に>
2010年の立ち上げ後、2年を経た2012年の2月に、塾のお披露目の意味でも、設立記念パーティの開催を勧められ、小規模な会を想定しながら準備を進めた。ところが予想に反し、245名以上が集まり、NHKのTV取材も入るほどの大盛況となった。
最終的な集客数を見て綾戸氏は、「人間力豊かで、リーダーの役割を兼ね備えられた講師陣の方々に対する期待があるのだと思います」と謙虚に語った。
講師陣は、東日本被災地から、陸前高田市の八木澤商店、河野社長や、岩手大学の清水教授を、地元からは、(株)キシヤの末石会長を招いた。
そのような心強い講師陣を招くだけの力が、福岡リーダーズ倶楽部にはあった、ということだろう。
その河野社長らを、「30名ほどとお聞きしていたので、こんなに大勢の方の前でお話するとは思っていませんでした」と驚かせることにもなってしまったが。
「人間創造 感動創造 夢実現」という若々しい理念を掲げ、目標を行動に移す綾戸氏の周りには、自然と人が集まってくる。
<「私は立ち上がりたい」と心の声が答えた>
そんな綾戸氏も、もともとは、企業に属する組織人だった。企業経営に携わるようになったのは、37年間の銀行員生活を終えた54歳のときだ。
「まだまだ働き盛り」と弟が経営する靴卸売会社に勤めるも、1年後に倒産。規模を縮小して新しく会社を立ち上げるために勉強に身を費やした。小さくてもきらっと光る会社にしたいと思い、規模を縮小して新企業を立ち上げた。前例を教訓に、倒産させないために必要なものは何か、と常に研究しながら経営にあたり、その成果を、創業以来17年間、赤字を出していないという成果に繋げたのである。
このときの経験とノウハウが、現在、経営者のネットワーク作りに繋がっている。
倒産という事態をマイナスとは考えなかった。そのとき生まれて初めて弁護士と話をしたが、そのときに問われたのが、「このまま会社を終わりにしますか、それとも立ち上がりたいですか?」ということだった。迷わず「立ち上がりたい」と答えた。弁護士の答えは「それでしたら、そのつもりで支援しましょう」というものだった。
それ以来、何事もプラスの発想でものを見るようになった。今も綾戸氏の行動の根幹には、このときの経験がある。
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