<第2回>
<RCCに税金6,850億円投入 国庫には100億円しか返らず>
――日経新聞によるとメガバンクは、金余りというか、海外融資を莫大にやっている。税金11兆円を投入し、110兆円の不良債権を処理し、急激に財務体質がよくなった。世界で優位になったのはいいことだが、金融機関といっても地域の金融機関とは性質が違うのでは。
原口 まったく違いますね。彼らが国境を越えた投資をするのは、私たちは、市場のことなのでとやかく言うことではないと思いますが、しかし、税金で不良債権をオフバランス化した事実は変わらないわけですから、そこに対する社会的責任はどう果たしておられるのか。今年、住専勘定が閉じますが、RCCに話を聞くと、15年間かかって、99・9%回収しましたと言うけれど、税金を入れた6,850億円のうちいくらが国庫に返りましたかと聞くと、100億円足らずらしいのです。それはどうみればいいのか、厳しく総括されるべきだと思います。
もっと言えば、再生可能エネルギーの新しい固定価格買い取り制度と言いましたが、自然エネルギーは、メガソーラーという形で利益を外に出すんではなくて、地域を循環することをめざすべきです。「緑の分権改革」というんですけど、新しいエネルギーで地産地消で地域の富を生み出す力をエネルギーの面からも金融の面からも、マネーの面からも支えていこうという動きが、滋賀の湖南市はじめ各地で顕在化してきました。そのために国会は、中小企業等金融債務者保護推進議員連盟でやっているようなバンクのあり方、融資のあり方を追求すべきだ。
とくに中小企業金融円滑化法が2013年3月31日に失効した場合には、返済猶予や返済条件の見直しがされなくなれば、中小企業がどれだけ倒産するか予想できません。しかも2年後の消費税上げの議論をしているわけですから、本当にどっち向いて政治をやっているか問われると思います。
<消費税上げ 中小企業の経営圧迫、財政悪化招く>
――そうですね。消費税の問題は、政局が微妙ですが、いかがお考えですか。
原口 私は今の時期やるべきではない、こういう手続き自体がおかしいと、採決にあたって席を立ちました。とくに中小企業でいうと、価格転嫁のところは3党合意のなかでたった1行書いてあるだけなんです。そこが1番の肝で、独禁法をいじるのなんのといったって、中小企業にとっては現状でも価格転嫁できず、消費税そのものが経営圧迫の最大の原因になっているわけですから、そこが取り除かれない限り税率を上げるなんていえないと私は思っています。
――まず時期の問題、そして中小企業の経営圧迫の問題、転嫁できない問題が改善されない限り反対ですか。
原口 駄目ですね。それは、消費税の税率を上げたってかえって財政赤字が拡大するのは当たり前ですから。
――いっときの税収が上がるように見えるけど、税収そのものが落ちてしまう。
原口 それは落ちますよ。3%から5%にあげたときに、橋本龍太郎総理と散々議論したところで、案の定、55兆円くらいあった一般会計の税収は、その翌年は42兆円に落ちていますか。消費税2%分ですから、当時1%分が2・5兆円といってましたから、5兆円増えていなければいけないのに18兆円落ちた。ものすごい財政悪化の法律になったわけです。
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