<全世界から「高端人材」が長春に集合>
第一目は、全世界から、新華僑・華人のメンバーが会場の五つ星ホテル、長春華天大酒店に集合するところから始まった。日本からのメンバーは全員、中国の別の地域で仕事をして現地に入るのでバラバラの集合になる。最後のメンバーがホテルに到着したのは、夜も更けてからだ。
7月は中国の大学の卒業シーズンである。記者は北京経由で、日本に留学していた清華大学生の卒業祝いをした後、長春に入った。清華大学のキャンパスは、卒業式前日という事もあり、多くの学生がマントと帽子を携帯、カメラにポーズをとるという、さながらファッションショーの様であった。彼らは、いわゆる"80后"や"90后"と言われる世代である。卒業祝いに同席していた50代の友人は、文革直後の同大学の卒業であるが、"隔世の感"があると語っていたのが印象に残っている。
さて、長春に到着したものから次々と事務局で登録作業が行なわれ、同ホテルに、各自書斎つきのエグゼクティブルームが与えられた。渡された交流会の資料も立派であるだけでなくかなりのボリュームだ。
我々の集合場所となった吉林省の省都・長春は人口約750万人の省内の政治、経済、文化の中心地だ。市内には、中国最大規模を誇る吉林大学や東北師範大学等を含む27の国立大学を抱え、中国科学院長春分院、高い研究開発力を有する中国科学院長春光学精密機械研究所、中国科学院長春応用化学研究所、長春人造衛星観測ステーション、東北地理・農業生態研究所、衛生部長春生物製品所など100余の重点科学研究機構も所在する。中国における重要な研究学園都市であり、科学技術人員の比重は中国でもトップクラスである。
日本では、1932年から1945年まであった満州国の首都・新京として有名である。市内には満州国・新京当時の建築物も多く残っている。
日本の仙台市、千歳市、金ヶ崎町と姉妹都市関係を結んでいる。7月30日には、震災以来運休していた仙台―中国・長春線(中国南方航空)が再開して、新聞で話題になったばかりである。
吉林省は、北部を黒竜江省、西部を内モンゴル自治区、南部を遼寧省と接している。また東部はロシアと接し、南東部は北朝鮮と接する。中部には南から延びてきた遼東大平原が広がり、東部は長白山系を中心とする森林地帯、西部も大興安嶺の山岳地帯となっている。省内の都市では、長春市の外に、今回視察する吉林市、白山市、延辺朝鮮族自治州等が有名だ。吉林省は日本の宮城県と姉妹提携を結んでいる。
明日は朝が早い。食事を済ませてホテルロビーに7時に集合というスケジュールである。ホテルから、オープニングセレモニーが開かれる国際会議場へ大移動する。
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