<人材交流ばかりではなく、投資説明会も>
第4日目である。朝7時、ホテルのロビーに集合、バス3台で省内視察に出発した。妙にスムーズに車が進むと思って不思議に思えたが、それもそのはず、先頭をパトカーが先導、周りの車が全て止まっているのだ。2日目に長春国際会議場に向かった時もパトカーが先導していたことを思い出した。
4.5時間走って昼ごろに吉林市に到着した。吉林市は人口450万人、吉林省中央部に位置し、松花江の岸辺にある。松花江は北流してアムール川と合流し、日本海に繋がる水路であるため、古くから造船業も盛んである。東で延辺朝鮮族自治州、西で長春市、四平市、北で黒竜江省、南で白山市、通化市と接する。
記者の吉林市訪問は2度目であったが、前回の訪問は1月で零下30度であった為、街の印象が大きく違って見えた。
市長主催の歓迎式典では、吉林市の説明と同時に、投資環境に関する説明もあり昼食となった。昼食もそこそこで次の訪問地の長白山に向かう。かなり遠いらしい。
やはり、4.5時間、走ったのであろうか、建物の全く見えない山のふもとに突如豪華な五つ星ホテル「宝石大酒店」が浮かび上がった。
5日目の朝の集合時間も早い。長白山に登るのだ。と言っても、車で頂上近くまでいくことができる。朝食を済ませて、ロビーにいると数台の小型の電気自動車がホテルの玄関に並んだ。後で、分かったことだが、長白山は指定の電気自動車(100台以上ある)のみでしか登れない。通常は、登山口まで行きこの電気自動車に乗り換える。混んでいると1時間、2時間待ちの事もあるらしい。幸いにも我々は、この電気自動車に乗り込み、一般旅行客とは別の登山ルートで長白山にスムーズに上ることができた。
長白山(標高2,744m)は、天候がとても変わりやすいと言われている。幸いにも、我々は快晴に恵まれた。
素晴らしい景色をゆっくり堪能する時間もないまま、又すぐに最終視察地、延辺朝鮮族自治州の州都延吉に向かった。やはり、延吉のホテルに入ったのは夜6時を回っていた。すぐに、朝鮮族の舞踊つきの歓迎式典・会食と投資環境に関する説明会が始まった。
延辺朝鮮族自治州は吉林省の東南部、北朝鮮とロシア沿海州に接している。総人口約220万人のうち、漢族が6割、朝鮮族が4割を占めている。中国東北の最高峰、霊峰・長白山を擁し、大陸性気候と相まって冬の寒さは厳しい。厳冬期には最低気温-30℃にもなり、中朝国境の豆満江も凍りつく。延吉市内の看板は全て中国語と朝鮮語の併記にすることが条例で決まっている。
最終日という事もあり、歓迎式典終了後、日本からのメンバーとこの交流会で知り合った仲間で、延吉の街中を散策した。朝鮮族が多い土地柄なのか冷麺屋の看板が多い。地元で有名なお店に入ってみた。とても安く、実に美味しい。明日は各自バラバラで空港に向かう。同行プログラムはここまでである。記者はこの後、大連経由で旧満鉄本社、旅順、203高地等を視察した上で帰国の途についた。
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