電材屋のおやじの鼻息が荒い。
「いやー、こんなにLDE照明器具が売れまくって休むヒマがない。平成2~4年ごろのバブル時代に匹敵する忙しさだ」という。「どうしてそんなに販売好調なの?」と尋ねると、簡単明瞭な答えが返ってきた。「脱原発バブルだから」である。
言われてみれば、"原発が稼働しなくても、酷暑の夏は停電という最悪の事態も発生せずに終わった"。なぜか――。
生活者がLED照明器具を買いだめし、節電に励んだからである。もうこうなると生活者は「原発はいらない、必要ない」という生活体験に裏付けられた確固たる信念を抱くようになる。電材屋のおやじに次のように助言した。「脱原発バブルでなく、脱原発恒常的景気にするためには同業者たちで"脱原発デモ"を組織することだよ」。このおやじは「なるほど」と、真剣な顔でうなずいていた。
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