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【流通】上場を目指すトライアルに死角はあるのか?(前)
流通
2012年9月 3日 10:30

 「うちの街にもオープンするばい。安かみたいやけん楽しみやね」「こんどうちの近くに来るばい。うちの店は大丈夫かな。どげんしよう」。消費者は喜び、同業者は嘆くディスカウントストアがある。福岡発で全国各地に店舗網を拡大中の「トライアル」だ。「流通を科学する」をスローガンにした同社は居抜き出店のローコスト出店と安売りにより急成長し、売上高は10年間で12倍の2,552億6,900万円を計上し、今や流通業界では知らぬ人のいないディスカウントストアに成長している。

<売上高2,500億円超。10年前の売上12倍>
TRIAL.jpg 「トライアル」の運営会社(株)トライアルカンパニーは2012年3月期に売上高2,552億6,900万円を計上し、九州の小売業界においては(株)コスモス薬品(ディスカウントドラッグコスモス)に次ぐ売上2位の規模を誇る。トライアルは2002年9月期(当時)は売上高216億円、店舗数も15店舗と事業規模は小さかった。これがわずか10年間で売上12倍、店舗数は9倍以上とデフレ景気で各社苦戦を強いられる中で、右肩上がりの成長を維持している。店舗数は140(2012年3月期)、大卒は毎年100名前後が採用され、今年6月の時点で社員、アルバイト合わせて約1万6,000人も在籍する巨大企業に変貌している。

 わずか10年でこれだけの規模に育て上げたのは、同社の永田久男会長(56歳)だ。永田会長は父親の電器店「あさひ屋」が1981年7月、(株)あさひ屋として法人化したのと同時に社長に就任。84年4月に福岡市南区高宮にはソフトウエア開発室を設立後、永田会長は主に大手ソフトウエアメーカーより仕事を受注し、プログラミングを行なっていた。のちにこの体験が「流通を科学する」という同社のスローガンとなった。

 永田会長は父親がやっていた激安家電の販売の傍らでプログラムの仕事をしていたが、ITの先駆者たちが知名度を上げていく中で、自分の力ではIT業界で成功するのは無理と判断し、父親の行なっていた流通業に専念することになる。ディスカウントストアとの出会いは、アメリカのウォルマートを視察した際、転換することを決断したようだ。以後、ITを駆使した流通革命を巻き起こしているのは、有名な話である。今年6月、永田会長は長らく同社の社長を務めていたが今後は海外出店に力を注ぐため会長となり、副社長だった楢木野仁司氏を社長に昇格させた。トライアルカンパニーは次なるステージに向けて動き出している。

(つづく)
【矢野 寛之】

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