俳優の山本太郎さんは、「原発なくそう!九州玄海訴訟」(第4次)の原告となったことを、提訴した8月31日に佐賀市内で開かれた4次提訴報告集会で明らかにした。集会では最初「応援メッセージ」としてあいさつが始まり、集まった市民にも、原告になったことは知らされていなかったようで、山本さんが最後に「原告になった」と明かした"ハプニング"に、会場は大きな拍手に包まれた。
山本太郎さんは同日、毎週金曜日の官邸前アクションに連帯して佐賀県庁東で開かれている「さよなら原発・再稼働反対アクション」にも参加して、「私たち市民が分断されずに、ひとつになって原発推進を止めていきましょう」と呼びかけた。
山本太郎さんの集会でのあいさつ(大要)を紹介します。
佐賀とは何かと縁のある山本太郎です(笑い)。昔、「佐賀のがばいばあちゃん」という映画で佐賀にお邪魔しまして、すごいいい作品に仕上がって、3・11では、地震と津波の被害にあった石巻に住んでいる友だちが佐賀にお世話になって、去年の6月には佐賀の市民の皆さんと行動したのが告発につながった(笑い)、でも誤解は解けましたよ(拍手)。佐賀に住んでいる友達が多いし、市民活動を通じて佐賀の皆さんと知り合っていくたびに、まっすぐな人柄というか、温かい県民性を感じる。
(日本列島は)地震の活動期で、原発がでたらめだということがはっきりしたなか、しかも電力は余ってます、ですって。原発が存在する理由なんて1つもないんですよね、僕たちにとっては。1%の既得権益からうまみを得る人たちにとっては大切なものなのかもしれないけど、99%の僕たちにとっては何一つ意味のない代物なんですよね。リスクだけあって、しかも10万年も監視しなければいけないゴミ(放射性廃棄物)をどうするんだよという話です。10万年前といったらネアンデルタール人ですって。信じられないですね。(笑い)
今やめなければいつやめるんだと。でもなにかとごり押しされるようなんで、市民が声を上げ続けて、声を出し続けないといけないんですよね。いくら司法が長いものに巻かれがちだといっても、(そうさせないために)これだけたくさんの人たちが「これに注目してもらわないといけない」「おかしいんだ」「原発は佐賀にいらないんだ」ということを注目を集め続けるということが一番大事だと思うんです。
ぜひ、マスコミのみなさんも、1行でも多く、少しでも流す時間、"尺"というものを1秒でも長く使っていただけるとうれしいです。
「九州を終わらせたのは佐賀だった」ということにはしたくないですね。九州というのは、本当に今、日本の食料を支えている場所だといって過言ではないと思うんです。政府は、福島の事故、本当は東日本一帯に汚染が広がっているのに同心円上の中だけで収めようとしています。しかもそれを縮めて人を帰そうとしている。ありえないですよね。26年前のチェルノブイリの事故でもいまだに30キロ圏内に人が入れないです。どうしてこの国はどんどんそれが縮めていけるのかということですよね。毎時1,000万ベクレルという汚染が空にも海にも流され続ける。東日本一帯に、いろんなところにホットスポットがある。その状況の中で食料自給率1位が佐賀、2位が鹿児島で、両方とも原発があるんです。今、東日本で、命をつなごうとしているお母さんたちは、西日本からの食料で助けられているんですよね。西日本からの汚染されていない食べ物が閉ざされてしまったら終わってしまいますよね。日本に安全な食料がないからTPPでも受け入れるかという話になってしまいますね、恐ろしい話です。本当に佐賀を守ることは九州を守ることであり、日本を守ることだと思うんですね。
より多くの方々がこの訴訟に目を向けて、参加して、マスコミの方々がそれぞれの自分たちの周りで戦い続けて、なかなか難しいと思います、原発問題でストレートな意見がマスコミから聞こえてきたことがないから、こんなこと言ってごめんなさい。でも今戦うときだと思うんです。そういう大きな力の中にいる人たちも、もし事故があったときは平等に被曝しますものね、どんな人でも。社会的弱者であろうと、富裕層であろうと、関係なく、役人であろうと誰であろうと、誰でも。今なんとかまともな状況に持っていくには、みなさんの力が必要なんです。力を貸してください。マスコミの皆さん、お願いします。ありがとうございました。
忘れていました。僕、原告になったんですよ。始まったときからお話いただいていて、僕、てっきり原告になったと思っていて、話を聞いたらまだ原告になっていなかったそうで...。先ほど(原告参加費用の)5,000円徴収されました(笑い、拍手)。ありがとうございます。仲間です、いっしょにがんばっていきましょう。(拍手)
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