ある中小企業の経営者の出版パーティの席での話だ。同じテーブルに、見覚えのある人が座っていた。一瞬、「誰かな?」と思いめぐらせた。ふと「2年前、上場会社の会長を務めた方」であることを思い出した。会釈をすると、先方は「もう古稀です。会社から完全に切れました。今から自由人です。誰からも拘束されずに生きていきます」と淡々と語る。
たしかに、風貌は自由人の気ままなムードを漂わせている。いつも違和感を抱く。「どうして大組織で出世した役員の方々は、『今までは使われてきたが、会社を辞めたから解放された。どんどん遊ぶぞ』という発想になるのかな」という疑念だ。なぜ、解放されたなら解放されたで、「社会のために一汗流すか」という頭の切り替えができないのかしら。
この出版パーティの社長の年齢は、古稀のさらに5歳上だ。それでも、まだまだ現役で勝負するつもりでいる。同じトップでも、ただ使われる身の大組織のトップと、自ら背負って立つ立場の中小企業の"オヤジ"とのパワーでは、こうも違うものか!!
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