(株)トライアルカンパニーは、福岡初のディスカウントストア展開企業として成功を収めた企業だ。財務体質も強化されており、同社に死角は見当たらない。今後、売上高1兆円、3兆円企業を目指すためには、国内外の投資家からの資金が不可欠である。そのために上場を視野に入れ、数年前から動いているのは有名な話だ。ただし、上場するためにはさまざまなハードルがある。果たしてトライアルカンパニーに、上場する資格があるのか――。
現在、九州の小売業界のなかで上場している企業は8社。業界最大手のイオングループに属するイオン九州は、ジャスダック市場に上場。今年2月にはマックスバリュ九州もジャスダック市場に上場を果たした。その他、鹿児島のタイヨーは福証、大証二部に上場しているほか、福岡のマルキョウ、スーパー大栄、大分のマルミヤストアは福証に上場している。トライアルと同じディスカウントストアのMrMaxは1994年12月に東証一部、ディスカウントドラッグのコスモス薬品は06年5月に東証一部に上場を果たした。
トライアルカンパニーがどの市場での株式上場を目指しているかは不明であるが、各市場それぞれに独自の審査基準がある。仮にジャスダック市場を例に取ると、上場審査基準において形式基準と実質審査基準の2項目。形式基準は一定の事業規模と実績を有し、事業の拡大が見込まれる企業群を対象とした「スタンダード」、特色ある技術やビジネスモデルを有し、将来の成長可能性に富んだ企業群を対象とした「グロース」で、トライアルカンパニーの場合、「スタンダード」に該当すると思われる。スタンダードは上場直前の期末の純資産額が2億円以上、経常利益が1億円以上などの基準があるが、これはいずれもクリアしている。
問題は実質審査基準で「企業の存続性」「健全な企業統治及び有効な内部管理体制の確立」「企業の信頼性」「企業内容等の開示の適性性」などの項目で、これらがクリアできるのか検証する。
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