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東日本大震災

今、注目の「森の長城プロジェクト」に迫る(後)
東日本大震災
2012年9月 7日 13:32

<福岡から願いを込めて応援する市民ネットワーク>
 ここ福岡では、「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」を応援するために自主的に人々が集まり、応援する市民ネットワークが結成された。同ネットワークでは、森の長城プロジェクトに関する情報を集め、インターネットやチラシなどを通じて一般に公開している。 森の長城プロジェクトが広く全国の人々に浸透させ、実現することを目的としている。

0907_project3.jpg 結成にあたって中心となったのが、(株)ウィンドファームの代表を務める中村隆市氏である。同社は有機コーヒーのフェアトレードを行なっている遠賀郡の会社。中村氏は、毎週月曜日に自身が経営するオーガニック・カフェ「Terra 小屋」(福岡市中央区)で、「いのちの学校」という勉強会を開いている。テーマは、森の長城プロジェクトのような震災からの復興であったり、再生可能エネルギーについてであったりとそのときによって変わる。参加資格はとくになく、毎回子連れの主婦やサラリーマン、お年寄りまでバラエティに富んだ面々がそろう。筆者もこれまで数回参加させていただいたが、毎回積極的な議論がされ、実に有意義な会になっている。こうして意識の高い人々が集まる会で、「応援する市民ネットワーク」が結成されたのは、自然な流れだったと言えよう。

0907_project2.jpg 報道番組で特集されたときの動画をみんなで鑑賞したり、チラシを作成したりと、福岡からエールを送っている。「いのちの学校」でも、この森の長城プロジェクトは実に良くできた建設的な復興支援であると、賞賛する声が多くあがっている。3.11から現在まで、さまざまなかたちの復興支援がなされてきたが、大切なのは、どのようにすることが被災した人々やその土地にとって最良であるかである。森の長城プロジェクト以外のテーマも含めて、「いのちの学校」では、お互いの認識を確かめ合うように前向きな議論が行なわれている。このような積極的な市民の参加は全国において必要不可欠である。おまかせ主義では、森の長城は成らないだろう。

 どうすることが、被災地のためになるのか。そして、100年後の人々のためになるのか。我々日本人が、未曾有の大災害からどのようにして立ち直るのかを、世界が今、見つめている。

(了)
【清水 秀生】

≪ (前) | 

今、必要とされるのはエコロジカルかつ持続可能な復興のかたち
0907_project.jpg 東日本大震災は我々日本人にとって非常に大きな試練となり、復興の道は大変険しいものになっている。しかし、私たち大人世代は、今、自分たち自身のことよりも、子どもたちの未来を少しでも明るいものにするために、できるだけの努力をするべきである。それが、子どもたちや未来世代のためにできることの第一歩になるはずで、そういった姿勢が復興支援の基本であるべきだ。できるだけ多くの日本人と世界の人々が手を取り合って、「森の長城プロジェクト」にチャレンジし、ライフワークとして真剣に取り組むことになれば、間違いなくこのプロジェクトは成功する。当然、それぞれができる範囲の取り組みをすれば十分である。
 重要なのは、参加して、第一歩を踏み出すことだ。

<お問い合わせ>
「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」を応援する市民ネットワーク
事務局 福岡県遠賀郡水巻町下二西3-7-16ウィンドファーム内
URL:http://morinochojo.jimdo.com

<書籍紹介>
列島の海岸線を「いのちの森」でつなごう!「森の長城」が日本を救う

0907_book1.jpg「森の長城プロジェクト」の提唱者であり、同プロジェクトの副理事長を務める宮脇昭氏が自ら「いのちの森」について綴っている。国内各地以外にも、マレーシアやインドネシア、ブラジル、中国、モンゴルなどを精力的に訪問し、84歳になった現在も森づくりに邁進する同氏。森の長城プロジェクトを実行することによるメリットだけではなく、3.11後の我々日本人の生き方や在り方にも、エコロジカルな視点で一石を投じている。森と長年対話してきた歴史の生き証人がすべての日本人に贈る1冊。

<プロフィール>
宮脇 昭(みやわき あきら)
miyawakiakira.jpg1928年岡山県生まれ。横浜国立大学名誉教授。財団法人IGES国際生態学センター長。横浜市緑の協会特別顧問。広島文理科大学生物学科卒。国内各地のみならず、マレーシア、インドネシア、ブラジル、中国、モンゴルなどを精力的に訪問。84歳になった現在も、森づくりに対する情熱は衰えることを知らない。


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