博多湾の東に位置するこのアイランドシティとはだれでも知っている博多湾和白沖に埋め立て方式で建設中の人工島である。近年の福岡市長選になると必ずと言っていいほどアイランドシティをめぐる論争に発展するくらい、福岡市にとっても無視できない大型公共事業とも言えよう。もともとバブル期に計画がなされ、その時に関わった人たちはこんなに混迷するとは思いはしなかったのではないだろうか。高島宗一郎市長においても市長自ら営業マンとしてアイランドシティの地の販売に奔走していると聞く。
ここでアイランドシティについて再度見直してみる。
整備計画がなされたものの紆余曲折しながらも1989年(平成元年)7月、博多港港湾計画の改訂を行ない、博多湾の干潟の埋め立てを人工島形式に変更することが決定。これをもとに整備事業は大きく前進する。その5年後となる94年の7月に工事が着工した。現在も工事中であることがミソである。アイランドシティの完成時の面積は401.3ha。地図を開きおおよそで測ると約縦1.5km×横3km(港湾部ターミナル部分がそぎ落とされた格好となるのでだいたいの数字で算出)となる。ヤフードームだと約100個入る計算だという。
島内の中心を横切る幹線道路から東側約191.8haが住宅地と産業用地および公園など整備される「まちづくりエリア」、西側約209.5haが主に埠頭用地と港湾関連用地として使用される「みなとづくりエリア」とわかれている。
「まちづくりエリア」は博多港開発(株)が、「みなとづくりエリア」の大部分を福岡市が、埠頭岸壁の一部を国が担当していたが、まちづくりエリアの北側半分は2004年に市に移管された。総事業費は約3,940億円。93年度時点での当初計画では約4,588億円であったが、見直しがなされている。市の計画では2028年に土地処分が完了する予定としているが、なんとまあ息の長い事業なのだろうか。
この長くかかる大工事は、予算を浮かすための方法を用いて埋め立てていることが1つの要因をもっている。要するにお金をかけないで時間をかけて工事を行なっているのだ。市によると、その工事方法とは・・・。
※記事へのご意見はこちら