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小倉記念病院に暗雲 延吉院長退任"花道"が迷走(18)~閉ざされた「延吉派」新理事会
特別取材
2012年9月13日 12:00

 小倉記念病院を開設する財団法人から無効と指摘されながらも、"神の手"を持つ天才ドクター、延吉正清氏が選任した"新理事"による理事会なる会合が開催された。正常化へ向けての道のりは、ますます混迷を極めている。

<そそくさと会場入りする姿>
0913_hotel.jpg 9月12日、北九州市小倉北区のリーガロイヤルホテル小倉4Fの「松」。案内板には、「財団法人平成紫川会 小倉記念病院理事会」とある。6月30日で現理事の任期が切れたとして、「延吉派」が選任した"新理事"(8人)に招集がかけられたものと見られる。(済生会八幡総合病院の松股孝病院長は取材に対し理事就任を否定)

 "我らこそは新しい理事会である"と言うならば、堂々たる説明やコメントが聞けると思い、リーガロイヤルホテルを訪れ、取材を敢行した。

 理事会が始まる約10分前。ホテルの4Fへ向かうエスカレーターに乗る男性に記者は声をかけた。小倉記念病院の理事かと聞くと、「いいえ、違います」との回答。しかし、男性はその後、足早に理事会が開かれる会場に駆け込んでいった。この男性は「理事ではない」と偽ったのか、はたまた理事以外の関係者も招待されていたのか。

 会場前に到着してしばらくすると、新理事の1人に挨拶する清原雅彦弁護士の姿があった。そこで今回の理事会の内容について尋ねると、「答えるつもりも、議論するつもりもない」という回答だった。その場に居合わせた新理事は「いまの段階ではしゃべれんこともあるでしょう」と話した。

 午後5時少し過ぎに始まった「理事会」なる会合は、約1時間後に終了した。

<「プラバシーの侵害だ!」>
 会場からは、延吉正清氏とそれに続いて清原弁護士が出てきた。表情は心なしか険しい。しかし、この理事会が正当なる理事会ならば、決定事項を包み隠す理由はないはずである。再度コメントを求めた。

 ――本日はどのような議題だったのでしょうか。

清原弁護士「話すことはない」

 ――正当な理事会であると言うならば、なぜ隠すのですか。

清原弁護士「まとわりつかないでくれ」

 ――次期院長はすでに内定しているのですか。

清原弁護士「やめてくれ。プライバシーの侵害だ!」

 ――清原先生のプライバシーについては聞いておりません。

清原弁護士「とにかく、これはプライバシーだ」

 ――平成紫川会は個人のものでもオーナー企業でもありません。財団法人なのですからプライバシーで片付けないでいただきたい。

 このような問答を繰り返したが、足早にタクシー乗り場に消えていってしまった。

 "新理事"による理事会が開催・成立したとすれば、理事長を選出したと思われる。また、「後任が来たら僕は辞めます」と延吉氏が語っている以上は、新理事会にとって次期病院長の選出は、重要項目に違いない。それらが決定したならば隠す理由は見当たらないのではないか。動向が注目される。
 

(つづく)
【特別取材班】

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