81年前の満州事変の発端となった18日、中国では100カ所以上で反日デモが起きた。一部の暴徒化した国民が、日系企業や在中日本人に向けて嫌がらせや略奪などを繰り返していることについて、日本のマスコミが大きく報道しているのとは対照的に、中国のマスコミの関心は今ひとつだ。こうしたなか、中国のインターネット掲示板にはありえないデマ情報も飛び交っている。
このデマ情報は、16日に中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」に書きこまれたもので、「略奪や破壊行為を扇動しているのは日本人留学生2人で、流暢な中国語を操り、破壊や略奪を煽っている。今回の暴動は元をたどれば日本人スパイの陰謀なので、でも更新には理性と品位を持って」というものだ。そして、日本人スパイとしている男の画像は、イギリス人講師殺害事件で服役中の、市橋達也受刑者の整形前と整形後の写真だ。
この情報について、中国の公安はすぐさま全面否定したというが、中国人が日本の事件の犯罪者について知る由もなく、このデマ情報がインターネットを介して、数千件に拡散されているという。
日中がこのような関係になっているときこそ、冷静な対応が求められるが、真の情報がインターネット経由でしか入ってこない中国では、ありえないデマ情報も反日感情を煽る格好の材料となっているのである。
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