さとうベネックは東京地裁から民事再生手続開始決定を受けた。これにより、今後は再生計画の策定に入ることになり、来年2月をメドに同計画の可否が判定されることになる。
ただ、債権者説明会で説明されていたような、いわゆる「再建型」の再生計画となるのかについてはいまだ不透明な部分が多い。というのも、従業員の大半が辞表を提出している状況や、取引先から破産手続に入るべしとの上申書が出される状況にみられるように、同社を取り巻く環境が非常に厳しいからだ。会社に対する信用が決定的に失われており、会社が「再生したい」と言っても周囲が耳を傾けてくれる状況にはない。
したがって「再建型」よりも「清算型」、さらには会社主導の「DIP方式」(一般的な民事再生の方式)よりも管財人主導の「管財(管理)方式」の可能性が高まってくる。いずれにしろ、今後の経過次第では、一部の債権者が主張する破産手続への移行の可能性も残る。
郷土の誉れであり、感謝も恩義も感じているさとうべネックに対し、破産の上申を決意せざるをえなかった取引業者の心中は察するに余りある。たった半年でかかる状況にまで同社を追い込んだ現体制と遠因を作った企業再生会社、そして、そこに介在したコンサルタントの面々は、罪深いとしか言いようがない。
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