SNSI研究員・中田安彦氏の記事(「維新の会」の"維新"とは自民党の世代交代のことかもしれない)について、匿名希望の方からいただいたご意見を紹介いたします。
標記シリーズ記事、拝読いたしました。「維新の会」の捉え方、自分のなかのモヤモヤ感が消え、すっきりした、そんな印象を覚えました。
大阪府知事時代を含め、橋下氏のリーダーシップ、行動力には期待をしておりましたが、その一方で一種の際どさ、危険性を常に感じておりました。
私の住む鹿児島県はまさしく旧体制。地方交付税や原発マネーが中央から下りてくるよう、パイプ役として、総務省(旧自治省)官僚を常に知事に据えて、自民党と土建業など地元財界が、県政を牛耳ってきました。このため、私は旧体制(アンシャン・レジーム)の打破を唱える橋下氏や堺屋太一氏の「体制維新」には大いに共感しました。
脱原発・反原発、大飯原発再稼動阻止に動き、消費増税にも反対を示すその姿勢に、民衆の声を聞く市民派の政治を志向しているものと思い、期待は一層高まりました。
しかしながら、その後の橋下氏は、財界の圧力に屈したのか、「反原発」の旗をあっさり下ろしてしまい、「消費増税反対」の声も聞かれなくなりました。私はこの時点で、橋下氏は平成の清盛にも信長にもなれぬと、彼への期待は一気に失望へと変わりました。
最初の八策に示されたような、国の姿を変えるとした「ダイナミック・チェンジ」もトーンダウンし、脱既成政党路線ではなく、むしろ「維新の会」はどんどん、自民タカ派や公明党の既成政党に歩み寄っており、もはや「第二自民党」、「新自民党」と化しています。新鮮味は失われ、期待値もどんどん下がっていることが、最近の世論調査を見てもうかがえます。小泉構造改革路線、安倍教育改悪・憲法修正路線を継承し、ますます右傾化を図っているように思えます。彼らが掲げる「道州制」や「消費税の地方税化」がもたらすメリットも具体的には語られておりません。
郵政選挙や政権交代を経験した日本人は、今更、聞こえのいいスローガンや刺激的なパフォーマンスで踊るほど、愚かではないと思います。真の意味での、良識ある市民派の政治参加というものは、近い将来実現しないものでしょうか。
貴重なご意見ありがとうございます。
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