領土問題に揺れる日本。中国で、大規模な反日デモが行なわれ、漁船団が領海を侵すなど、危機的な状況にある。
日本人は、領土問題に対し、何を考え、どういう行動していけばいいのか。
8月19日に、尖閣諸島魚釣島近くの海上で行なわれた慰霊祭の後、自由行動の時間に取手市議会議員の小嶋吉浩氏らとともに9人で魚釣島に上陸した小坂英二荒川区議会議員にインタビューした。
――荒川区の区会議員として上陸。国会議員だけでなく、東京都議会議員、兵庫県議会議員、取手市議会議員、杉並区議会議員など地方議員が多かった。
小坂 自分は荒川区の区議会議員ですが、地域があっての日本。日本があっての荒川区だと考えています。切り離しては考えられない。ほかの地域の議員とも、東日本大震災のボランティアに行くなど、さまざまなネットワークを生かして協力し合っています。今回、日本の主権が危機に瀕している。政府の十分な対応ができていない、石垣市だけが必死で頑張っているが、それでは足りない状況。東京から、尖閣のことを考える機会が必要だと思っていた。
――魚釣島に上陸した時の思いとは、どのようなものだったか。
小坂 これまで、尖閣諸島の領土問題に関して、中国の香港の活動家が上陸したりするなど中国がすべて主語となってきた。
政府としての態度を見ていると無為、無策。『平穏かつ平和的な対応』というが、すべて受け身。日本が"主語"になる機会が必要だと感じていた。
このままでは、尖閣諸島を真剣に守ろうとしている日本人はいないのでは、と世界から思われてしまう。主体的に『尖閣諸島は日本の領土だ』と、堂々とした態度を取る日本人がいるのだということを、世界に示しておく必要がある。そういう思いで上陸に踏み切りました。
小坂氏は、荒川区議員に配布される防災服を着て、海に飛び込んだ。乗っていた第八泰生丸から20数メートルを泳いで上陸した。
「公の議員として、行くんだ。泳ぎは苦手ですが(笑)、堂々と示したいと思って、荒川区の防災服を着て、飛び込みました」(小坂氏)
上陸した国会議員、東京都議らとともに魚釣島にある慰霊碑の前に行き、1時間程度、戦没者の慰霊をした後に、船に戻った。東京に帰った後、激励、共感のメール、感謝の言葉を添えた手紙などが小坂氏のもとに多数、送られてきたという。
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