「平穏な生活というものも、国の誇りや国の歴史があるからこそ。日本という国家が、あらゆる基盤の上に成り立っていると思います。いわゆる国同士の友好というものも、双方の国の誇り、主権がその土台にあるべきだと考えています」(小坂氏)
日中友好とは言うが、日本の国益を削ってまで中国におもねる必要はない。単なる友好ではなく、両国にとってプラスになる関係のあり方、あるいは、日本にとってマイナスにならないような、巨大な隣国との距離の取り方を考えていかなければならない。
――中国は尖閣諸島にプレッシャーをかけてきている。
小坂 国民は戦ってでも守る覚悟を持っていなくてはいけない。そのことを言葉と態度で示さなくてはいけない。過激という人もいるが、そうではない。むしろ逆で、態度を示すことで、かえって争いというものは遠ざかる。
目の前の穏便のために、態度を引いていくと、取り返しのつかないところまでいってしまう。今のように侵害されることを「是」とした態度を続けていると、ほぼ尖閣諸島を取られたのと同じような状況になる。
国の今のような態度では、島のみならず、周辺の海や沖縄すら守れない。そういう国が、荒川区も守れるはずはない。そう思っています。
中国のやり方は、日本と同様に中国と領土問題を抱えるベトナム(南沙諸島)、フィリピン(南シナ海スカボロー島)の状況と似てきている。税関で日本製品の検査を強化するなど、領土問題とは直接関係のないところで、嫌がらせとも取れる措置を取っている。
――中国は、ベトナム、フィリピンと同様のやり方で、攻勢をかけてきている。日本側は反日デモに見られるように、経済的なダメージも受けている。
小坂 ベトナムでもフィリピンでもまず、中国は、漁船を寄せて、揺さぶりをかけてくる。そういう意味では、尖閣諸島も同じやり方です。漁業活動から揺さぶりをかけてきている。中国は、フィリピンからバナナを輸入していましたが、検疫にわざと時間をかけて、フィリピンからバナナの輸入量を減らした。領土問題を抱えるにあたって、経済摩擦は必ず起こる。それは仕方がないものだと捉えるべき。今回の反日デモで、中国がカントリーリスクの高い国ということが改めて浮き彫りになった。インド、インドネシアやベトナム、トルコの周辺国など、日本と絆を強めたいと思っている国はたくさんある。これまでは、発展著しい中国経済に目が向いていたが、インドやトルコなど、そちらの方に目を向けてもいいのではないか。中国や韓国以外の国で、日本にアジアのリーダー国として再び経済的に強くなってほしいと思っている国は多い。その期待に応えられるような国を目指すべきでしょう。
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