――国民は領土問題に関し、何を思い、どういう行動取るべきか。
小坂 一番は、領土の問題を自分のこととして考え、その問題について知ったこと、勉強したことを、周囲の人と議論することでしょうね。若い人でも、政治の話をもっとしてほしい。これまで日本は、若い人はあまり政治の話をしてこなかった。一般の人が、政治の話をして、その情報を共有してこなかったから、政治が劣化したとも言える。領土問題は、一部の政治家が懸命に努力しても、どうにもならない。国民も自分の生活に関わる大事なことだと考え、『守るんだ』という覚悟を持つべき。政治は世論の鏡ですから、世論が成長し、磨かれることによって、おのずと政治も成長する。そういう議論の過程を経ることなしには、政治も変わらない。まず、国民が変わらなければいけないと思います。
東京都が買うと言っていた尖閣諸島は、約20億円の税金を投入して国が購入した。当初のとおり東京都が購入していれば、港湾施設を作るなど粛々と実効支配が進んだかもしれない。国は、このまま、尖閣諸島に関して、何もやらない施設などを作らない「無人島政策」を続けるのか。
――尖閣諸島を国が購入したが、実効支配を強めるために、国がやるべきこととは何だと考えるか。
小坂 実効支配するために、やるべきことは、まず陸地に隣接して、港湾施設を作る。魚釣島の周囲は、豊かな漁場ですが、海が荒れて避難したいときには石垣島までの約170キロを戻らなくてはならない。そういう時に1日だけでも避難できれば漁業活動を行ないやすい。一度、大平内閣の時に作って壊したヘリポートも復活させるべき。避難港の設備を作ったり、尖閣近辺にしかいない種類の動植物もいるので、水産試験場を作ったり。小笠原諸島のように、自然観光、離島観光のルートを作るなど、1つ1つやっていけることはあるはずだと思っています。
中国各地で行なわれた反日デモでは、手法の是非はともかく、ある意味、人数の持っているパワーを見せつけられた。日本は、堂々と、国際的な場で、日本側の主張をしていかなくてはならない。ただ、相手は、法や歴史的根拠、理念をそっちのけにして、強引でもあり、老獪でもある。
小坂議員の言うように、たしかに、日本人は、経済的平穏に守られて、政治を話題に挙げたり、政治の議論をしたりすることを避けてきた傾向にある。
今後、日本はどうあるべきか。国民の声を、あるべき手法で、政治に伝えていくために国民が政治的に成長するべき時かもしれない。
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