すべての人にやさしいまちづくりを市政の柱の1つとして推進している福岡市。9月29日から10月14日まで、賛同する企業・団体がさまざまな催しを行なう「ユニバーサル都市・福岡フェスティバル」が開催されているが、主催する福岡市の姿勢に疑問符を付けざるを得ない実態がある。
今年4月27日に改装工事を終え、大幅にリニューアルされた福岡市役所1階ロビーの中央の床に、福岡市およびその周辺を写した航空写真が新たに置かれた。それにともない、改装前、行政棟北側玄関と議会棟南側玄関の間を直線で結んでいた視覚障がい者が歩くための誘導ブロックが航空写真を迂回させているのである。直線で結ばれていた痕跡(画像参照)は現在も残っている。
同市が配布している「ユニバーサル都市・福岡」のリーフレットには、「自転車も、みんなにやさしく」「誘導ブロックは大切な道しるべ。放置自転車は危険なんだ」と、路上を歩く視覚障がい者の妨げとならないよう呼びかけている。市役所を訪れた人たちが航空写真を興味深く眺めている様子が散見されるが、誘導ブロックをねじ曲げなければならない位置にある必要性はないはずだ。誘導ブロックの痕跡は市政の歪みを静かに語っている。
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