10月１日、福岡市８番目の区であるカワイイ区（篠田麻里子区長）の区民となった。福岡市役所１階の情報プラザで特別住民票を発行してもらったが、さて、この後どうすればよいかわからない。そこで事務方として、我が区の運営を行なっている福岡市市長室広報戦略室広報戦略課へ向かった。

＜東京都民が7,000人!?＞
　迷える区民を快く迎えてくれた担当課長によると、人口４万人に手が届くところまで来ている我が区だが、その実態は細かく把握できていないという。それは、区民登録時、名前（ニックネーム可）とメールアドレスしか記入しないため、住所、年齢、性別がわからないからだ。ただし、カワイイ区のフェイスブックページに「いいね！」を押した１万3,258人（10月３日午後３時現在）や特別住民票の発行状況などから、約7,000人が東京都民であると推測されている。これは区設立に関する記者会見が東京で行なわれたことが大きく影響しているようだ。なお、特別住民票の発行を行なった女性区民も少なくはなく、発行開始の９月29日に訪れた区民のうち４割が女性。「カワイイ区に男しかいない」というカワイクない状況ではないことを知り、ひとまずホッとした。

　一方、カワイイ区のロゴや名義後援については、約90の民間事業者・団体から申請が来ているという。我が区は福岡市内に実在していない仮想行政区だが、今後、ロゴや後援イベントが増えることで、我が区は市内各地に点在していくことになる。
　現段階では、区民としての義務はないが、区民の権利（特典）は徐々に増えていくとのこと。すでに決まっているものでは、９月29日から市役所１階の「ユニバーサルカフェ」で飲食代10％割引。福岡市博多区の博多リバレイン５階で10月12日から14日まで開催される「第１回スイーツマリアージュin福岡」では、区民限定オリジナルスイーツが先着100名にプレゼントされる。（それぞれ特別住民票の提示が必要）

＜区長公選制の導入を！＞
　カワイイ区とは、「カワイイ」という切り口で福岡市の知名度を上げていくシティープロモーション事業であるが、今後の具体的な事業計画については模索中といった印象を受けた。担当課長は、参考にしている同種の事業に、香川県の「うどん県」、広島県の「おしい！」、熊本県の「くまモン」をあげた。それぞれ成果をあげている事業だが、福岡市の場合、篠田区長が今後、市の広報活動をどのように行なっていくかが不明確だ。
　しかしながら同事業は、福岡市の広報を目的として約1,000万円の税金を投入し、区民からも特別住民票発行で手数料を徴収しているれっきとした市の事業である。決して「我が区＝ファンクラブ」であってはならない。まず、区長の役割、権限、任期について明確に定めて明示する必要がある。

　ここで区民の１人として、区の運営に緊張感を持たせるためにも区長公選制の導入を提案したい。篠田区長と言えばAKB48、AKB48と言えば「総選挙」である。HKT48をはじめとする地元アイドルからも立候補者が出れば、福岡市をあげての一大イベントとなるのではないだろうか。もちろん、各陣営のプロモーションにつながるため、極力"公費負担"はナシでお願いしたいが・・・。

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