以前、福岡県内の産廃業者の不正行為について取り上げたが、その取材過程において大分県内の産廃業者から医療・介護施設から排出される廃棄物に関して不正行為を行なっている業者がいるとの情報が入った。そこで、大分県内の同業者へ取材したところ、C社が情報通り不正と疑われる行為をしていたため、C社に対する取材を始めた。
大分県内で営業展開するC社は、現代表が創業1代で事業基盤を築き上げ、地場マスコミに取り上げられるなど、大分で活躍する地場企業として認知されている。今回寄せられたのは、同社が主な取引先である老人ホームなどで無許可の廃棄物収集を行なっているという情報だ。
C社は医療・介護施設を中心とした取引先を持っているが、リネンの納入および回収の際、事業所から排出された使用済み紙おむつを同時に収集しているという。大分県では、菌や血液が付着した一部の感染性廃棄物を除いて、使用済み紙おむつは一般廃棄物として処理される。また、一般廃棄物の収集運搬許可については、排出事業者が所在する各市町村からの許可を所持している必要がある。
C社が使用済み紙おむつの収集をしていると聞かれるA施設について調べたところ、C社はA施設の所在する市において一般廃棄物の収集運搬許可を持っていないことが発覚した。C社は、契約時にA施設に対し「紙おむつの収集は関連会社で行なう」と発言しているが、同じくその関連会社においても同市における許可の確認は出来なかった。
C社は、大分県より産業廃棄物および特別管理産業廃棄物の収集運搬許可は受けているため、上述した一部のものに限って収集を行なっているのであれば問題ない。ただ、そこで引っかかるのは、C施設が血液や菌の付着が日常的に発生する医療機関ではなく、老人ホームであるという点だ。
そこで、C社の実態を調査するために許可を管轄する行政および取引先への取材を開始した。
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