<中国共産党の単独支配の曲がり角>
中国人民が自信を持ち【中華思想】で再武装始めたことに加えて中国共産党が13億(14億人かもしれない)民の国=【中華人民共和国】を統治することが困難になったことだ。国民全体が貧困な社会の時代であったならば中国共産党の単一支配・指導で運営は容易であっただろう。経済発展に伴って日本の10倍上の経済貧富の格差が広がっている。金持ちは国内動乱が発生すればカナダを含めた海外へ逃げ出ることが行動パターンになってしまった(中国系カナダ人では手引ビジネスに奔走する輩もいるとか)。
1949年中華人民共和国誕生からこの国の民族特性=賄賂の習慣が薄れていた。だが、経済発展とともに汚職社会が復活した。共産党幹部たちも汚職塗れになったことが表面化してきた。重慶市政府の共産党組織のトップにいた薄氏の賄賂でため込んだ金額の規模には想像を絶する驚異の念を抱いた(中国共産党指導部は≪兆円溜めこんだ)と情報を流している)。「薄氏個人だけの例でなくどの共産党幹部も行なっていること」と中国人民の多くが認識したことだろう(ネット世界において情報封殺は不可能だから)。
経済発展はその国の国民を幸せにする。そうなると国民の価値が多様化し国家経営も複雑且つ多面性が求められる。中国人民の要求が多面化すると中国共産党内も意見が多岐にわたり鉄の団結・結束が揺らいでくる。特に経済的格差が生じると貧困層に迎合する政策を講じることが増える。その腹いせ・不満解消策として【尖閣列島領土問題】が悪用されて《反日運動》に転嫁されては堪ったものではない。
<アジアに幅広く兄弟連合を築く>
「中国との対峙は長期化する」という見通しを立てて戦略を構築することが迫られている。「政治のことは不問にして強大な中国市場をターゲットにして商売する」というエコノミクアニマルの姿勢の堅持はもう許されないだろう(日本の経済団体は商売優先の迎合主義走っているが――)。日本がアジア圏から離れて繁栄できないことは自明なことだ。この地区の発展があってこそ日本も救われるのである。
そこで視野を広げて東南アジアを眺めてみることだ。前記したインドシナ各国・インドネシア・マレーシア・フイリッピンなどは親日感情の強い国である。少なくとも今後、10年間経済成長が期待される。人口もこの地域で10年後には7億から8億人になる勢いがある。大市場の登場は間違いない。この東南アジアゾーンに日本の未来を懸けて報われなくても良い献身的な行為を全力投入するのだ。まずは兄弟連合ゾーンを確立するのだ。
決して中国と対立するというものではない。しかし、「中国さん!!別にお宅に頭を下げてまで商売することは欲しません」という強気の姿勢が保てる為には背景に兄弟連合があってこそだ。だからこそ日本の若者達を東南アジアへ送りだして活躍させるインフラ整備が緊要の課題である。日本人はこのような戦略的対峙は苦手であるが、国と民間の巧妙な連係プレーでしか達成できない。「中国さんは大切な付き合い手ですが、オール(すべて)ではありませんよ」と交渉すれば相手も憎しげな顔をするが内心、畏怖の念を抱くはずだ。
一方では中国との交流は積極・果敢に進めなければなるまい。学者・知識人・芸術・ビジネスありとあらゆる階層の多岐にわたる付き合いの組織化を推進する。経済的成功した階級、特に中産階層のメンバーとは価値観を共有できることが沢山ある。国を超えて重層的なネットワークの形成が可能になればいずれは力になるはずだ。
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