イマドキとイマドキでない昔の若者(バブル経済を経験した世代)との差異は次の3大要素にある。「競争」「我慢」「行動」 ※3大要素は「競、我っ、行(今日、学校)」と覚えましょう!
では、ここからしばらく若者の教育現場から4月度第1回目の研修をレポートしよう。
1.競争しない
「それでは、学んだことを活かして15分間で自己PR文を書いてください。用意スタート」
「15分です。終了」20名中、完成した学生は3名。半数が7割程度の完成。まったく書けない学生が3名。4名はメモのようなものを書いている。つまりはマイペース。ある自己PR文には、こう綴られていた。
「私の長所はマイペースなところです」
2.我慢しない
研修が始まって30分後、「先生、すみませんトイレ行っていいですか?」
「ダメです。大ですか? ・・・、仕方ない。行ってきてください。」さらに15分後、「1人寝ていますね」
3.行動しない
「これから5人1組でディスカッションを行ないます。近くでグループを作ってください」
誰も立たない。時間だけが経つ。15秒ほど待ってみる。1人動いた。続いて2人3人。さらに30秒が経過するも3分の1は動かないでにらみ合い?「さあ、動きましょう。声かけしましょう」と促し、グループができ始める。2分経過。さきほど自己PRで何も書けなかった3名が案の定、座ったまま。「残った、残った!」
このように学校の授業においても社内の教育においても取り組むべき大きな課題は上記3大要素に絞ってよい。競争の少ない教育を受け、衣食住にネット、ケイタイ付きの豊かな生活に恵まれて育った若者に「もっと競争意識をもって、我慢と行動!」と促しても所詮無理がある。ところが、前回(現場で見た「ゆとり世代」)でも記述したように社内の教育現場で起こっていることは、「もう我慢の限界だ。どれだけ(新入社員が行動を起こすことを)待っても(状況は)変わらない。やはり叩き込むしかない!結局それが一番のやりかただ」と、教育側の我慢が続かないのだ。
3つの課題についての深い理解、中長期的な教育ビジョンとプランの見直しを行なっていただきたいと切に願う。強制や叩き込むやり方では人財は育たない。なぜなら、そこに「愛と人生」が存在しないからだ。相手に対する深い理解と愛情があれば必ず道は拓ける。ここで言う愛情とはビジョン、プラン、そして日々の対話。では人生とは・・・。
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<プロフィール>
小路 智広 (こみち ともひろ)
炎の教育探求家(学習塾講師時代に同僚が命名した)自身が大学生のとき、腎臓病の完全克服を期して自転車による九州一周の旅を敢行するなど、一徹な面と寛容な面を併せ持つ。これまで学習塾における学生教育・受験指導・教室経営、大学生をはじめとした若者の就職支援及び中高年層の転職支援、そして、企業における社員教育研修を行なってきた。
講義・講演数36,000回。指導者数はのべ35万人以上と九州でNO.1,日本でも有数の実績を誇る。大学教員として5年間「キャリア開発学演習」の教鞭をとっていた2007年には、「これからの働き方」をテーマに日本全国47都道府県を51日間で一周し取材を行った。8年間教鞭をとっている九州大学自己表現能力育成プログラムでは「愛と人生」をベースにした講義で人気が高く、これまで1,000名以上が受講している。
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