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「竹島」「従軍慰安婦」をめぐる断章(4・終)~日本人に、今一番必要な力
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2012年10月19日 07:00

sinbun_1.jpg 毎日新聞の朝刊コラム「風知草」。山田孝男編集委員の健筆が冴える。8月27日のコラムで山田記者が取りあげたのは、言語学者・鈴木孝夫先生(慶応義塾大学名誉教授)の言説だ。僕もかつて軽井沢の別荘で、鈴木先生に長時間インタビューしたことがある。孤絶国家ニッポンでは、得がたい知恵者である。

 「謙遜のつもりでモジモジしていては、外国人とのコミュニケーションは成り立たない。鈴木の確信は百戦錬磨の海外体験に根差している」――ここがポイント。数々の日韓交流プロジェクトをやりながら、僕が韓国人との「論戦」を厭わないのも、僕自身の「韓国体験」から出ている。「国際コミュニケーション力」。
 日本人に、今一番必要な力だと、改めて思うしかない。

 さて、最後に再び、今井正の映画「あれが港の灯だ」の話題に触れたい。

 実は、この映画、今年の8月にソウルで上映される計画があった。韓国の国策機関である「東北アジア歴史財団」が主催する行事だ。「映画で見る在日コリアン」をテーマに「にあんちゃん」「パッチギ」などが上映された。当初、この上映予定作品のなかには「あれが港の灯だ」が入っていた。(このことは上映会パンフで、李成市・早稲田大教授も触れており、間違いない。)。

 ところが「不可解な理由」で、「あれが港の灯だ」の上映は中止になった。どうしてなのか――。
 財団側からは「日本の版権会社(東映である)から100万円の上映料を提示された」と説明があったという。しかし、この説明は噴飯モノでしかない。1961年の旧作だ。いくら高くても10万円を超えることはない。断言していい。
 「100万ウォンの間違いじゃないですか」――。確認しても「100万円」という返事だった。

 僕の見立て(推測)は、映画を見た関係者から「この映画はまずい」という声が起きたのだろうと思われる。韓国政府の政策(李承晩ライン)で、在日コリアンたちが犠牲になっているシーンがあるのは、いかにも、この時期に都合が悪いと思ったのに違いない。
 当たらずといえども、遠からず?いかがでしょうか。

(了)

≪ (3) | 

<プロフィール>
下川 正晴(しもかわ・まさはる)
1949年鹿児島県生まれ。毎日新聞ソウル、バンコク支局長、論説委員、韓国外国語大学客員教授を歴任。07年4月から大分県立芸術文化短期大学教授(マスメディア論、現代韓国論)。


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