20日夕、JR博多駅前(博多口)で行なわれた、日本維新の会の代表・橋下徹大阪市長の街頭演説には、2,000人を超える聴衆が集まった。もちろん、すべてが日本維新の会の支持者というわけではないだろう。最近の世論調査では、支持率を落としたと言われている日本維新の会だが、それでも連日、橋下氏はメディアで取りざたされる。その生の声に、福岡の人々が高い関心を持っていることがうかがえた。
今回、橋下氏が話した内容は、全文を掲載しているのでそちらをご覧いただきたい。他の報道によると、先に行なわれた鹿児島や熊本での街頭演説では「TPPに触れなかった」などとされたが、福岡市では、「九州ではね、『TPP反対だ、反対だ』っていう声が強いですけど、僕らが言ってるのはTPPの交渉参加なんです」と切り出した。
そのほかにも社会保障における「高齢者の方への適正な負担」や、道州制においては「九州の知事、九州の県議会議員、九州の市町村長、市町村議員、みんな身分は一度、剥奪です。そして新しい九州を作り直す」などと、歯に衣着せぬ物言いで、日本維新の会の考えについて主張した。
現在、選考が行なわれている次期総選挙の候補者については、条件の1つである選挙資金の自己負担について、「中小企業のオーナーだってね、2,000万や3,000万、金引っ張るのに必死なんです。その苦労を政治家が知らないから、中小企業のためのホントの政策ができない。まずは政治家がね、汗水流して自分で金を集めてくる。そこからスタート」と説明した。
既存政党との違いとするところを強調した橋下氏。昨今話題となった「週間朝日」をはじめとする週刊誌報道についてもネタにして聴衆のムードを盛り上げた。気分が高揚したためか、演説の最後、聴衆へ日本維新の会への支持を呼びかけるなかで、「どうか日本を変える統治者に我々と手を組まさせてください」。いろいろな解釈ができる内容だ。
はたして、日本維新の会が手を組む「日本を変える統治者」は誰なのか。既存政党と一線を画す第3極の中心的存在として見られている日本維新の会だが、現実的に考えて、一気に政権を奪取する可能性は高くはない。橋下氏らが考える次の国政の姿とは?それはまだベールに包まれている。
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