中共中央は、第十八回全国代表大会(十八大)を11月8日に招集開催することを決めた。中国共産党の重大な権力交代が、この十八大に於いて完成される。即ち、十八大後、中国新指導者の着任に伴い、中国経済政策と発展戦略に重大変化が生じる。そして、この経済政策の重大変化は、今後五年から十年の中国経済発展を決定付ける。故に、中国十八大の開催は、世界の関心を集めている。
目下の情報では、中国新指導者は習近平と李克強を主導とし、習近平は胡錦濤のバトンを受けて中共中央総書記、国家主席に就任し、李克強は温家宝を引き継ぎ国務院総理に就任する。彼等を主導とすれば、新指導者の出身とバックグラウンド、生長時代、知識条件、開放姿勢、工作経歴及び経験等全てが前任指導者達と大きな違いを有する。そして、正にこのような違いが、彼等の就任後の経済発展戦略と経済政策の価値指向大きくを決定付け、この価値指向は、又中国経済発展展望に重大な影響を生む。
一、戦後の出身 苦難な経歴
先ず、我々は、新任指導者達の多数が前世紀50年代生まれである事を知る。そして、この世代の人々の人生にとって、最大の影響を被った事件は、60年末から70年初めの、全国知識青年上山下郷運動であろう。そして、新指導者の多くは、皆この知識青年上山下郷運動の経験者である。十数歳から二十歳の若者として、彼等は初めて父母と別れ、中国社会の最底層の最も生活困窮の農村に行き、社会の最底層の農村大衆の苦しみと現実を、身を以て体験しただけでなく、底層農民と生活と仕事を共にして、自己の人生観と価値観を形成している。それは、我々多くが大学で各種文化や知識を学習するだけでなく、更に重要な事は、人生観、価値観の形成にあるのと同様である。そして、新指導者達の、この時期に形成した人生観、価値観は、その人の一生に極めて大きく影響する。例えば、アメリカ最大のスーパーマーケットチェーン・ウオルマートの創始者サム・ウオルトンが、どうしたら、貧しい人を幸福にできるかを目標にしたのは、とりもなおさず、彼の若き日の経歴に関係する。ジョブスのアップル製品も同じである。従って、新指導者達の若き日の経歴は、彼等の政権掌握後、いかに各種の政策が決定されるかに大きく影響し、それが即ち、彼等の各種政策決定の基点であると予測される。この基点に於いて、その政策の民生性、或は政策の出発点、更に多くは、圧倒的多数の底層民衆或は中低収入民衆の利益に対する関心である。これは、単に中国の調和ある社会が打ち立てた基本点であるのみならず、中国が邁進する現代文明社会の目標でもある。この基本点が有ればこそ、未来中国の各種経済政策には、重大な変化が生まれるだろう。
二、高学歴 開放された意識
次に、1949年中国解放後の第一代及び第二代の中国指導者の出身は、毛沢東、鄧小平等の、基本的に全て軍事に強い人々だった。第三代及び第四代の指導者は、江沢民、胡錦濤等の、多くは理工系とエンジニアをバックグラウンドとしていた。そして、新たな指導者達の多くは社会科学をバックグラウンドとし、彼等が学んだ専門は、ほとんどが経済学、法律、歴史並びにその他社会科学で、且つ、その内の数人は博士号を持っている。専門の知識と理論は異り、彼等の国家運営の考え方を決めるパターン、観念及び方式は、従来と大幅に異なる可能性がある。且つ、近代国家が求める専門知識とバックグラウンドより見て、社会科学的知見の優位は、近代国家の効率的運営の重要条件となっている。何故ならば、これら知見は、社会的角度から、我々の現実生活とあらゆる社会運営のメカニズムを理解するために、正に要求されているものだからである。例えば、先進国家の多くの指導者の専門知識は全て法律及び経済学のバックグラウンドを具備している。
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