三、欧米教育の受容
第三に、新指導者達は、そのオープンな姿勢が、前数代の指導者達とは大いに違う。新指導者達の内、直接欧米名門大学で学んだ者もあり、改革開放初期に欧米国家を訪問した者もいる。例えば、習近平は1980年代アメリカに行っている。彼等は、先進国家の経済発展程度、科学技術水準並びに人民の実情等について、極めて早い時期から理解している。特にその頃は、中国経済の発展情況と先進国家との格差が大きく、それが、彼等に先進国家の各方面の進展に就いて、更なる関心を高めさせ、それら各方面の知見の累積を豊かにした。その過程で、彼等は相応の知見を絶えず積み重ねて行っただけでなく、彼等のオープンなマインドは、今もなお、学習と進化の過程にある。そして、このオープンマインドは、将来の中国経済政策決定に、必ずや重要な影響をもたらすだろう。
四、豊富な地方工作経験
第四、新指導者達の個人的工作経験と経歴も、前指導者達と大きな違いが有る。新指導者達の多数は基層部から一歩一歩上に上って来た。このようにして、彼等は工作上の錬磨を得ただけでなく、工作上の経験も積み上げている。しかし、更に重要なことは、全ての国家の機構が如何に操縦され、どの部分が強く、どこが弱いかを十分にハッキリと理解していることである。それ故に、彼等は中国という国家機構の将来に於ける改革すべき重点と改革は何処から手を付けるべきかを、よく知っている。こうした事こそが、新指導者達と前指導者達との相違点なのだ。こうした特徴と相違点は、大きく将来の中国経済の方向性と発展に影響し、中国がどんな政策を打ち出して国家運営するかに影響する。
現実の経済生活について言うと、新指導者達の現在の知見と経験のバックグラウンドから、当面する中国経済生活の最も重要な三大問題に、どのように対応するかを見なければならない。その一、将来の中国経済の成長点を何処に置くか、この経済成長点に対して、新政府は、どんな方式で臨むか(李克強の最近の談話から見ると、中国の都市化は、将来の経済発展を最も重要な成長点としている)その二、将来の中国経済で最大リスクは何か、新政府の採取方針は対処と回避である(この点は《十二五中国金融服務業発展綱要》の中に吐露されている)。その三、将来の中国経済に於ける改革と発展の最大の障害或は抵抗力は何か(当面している中国党内に盛行している重大な汚職涜職問題)。
新指導者達がどんな方式でこの三大問題を処理するかが、彼等の特質と優位を体現出来るかどうかのキーポイントとなる。しかし、最近の習近平、李克強の言論が漏らす情報から言うと、新政府は、この三つの問題について、既にハッキリした考えが有り、現在の問題は、彼等の就任後に、この明確な考えを、どのように執行可能な具体的政策に転化するかにある。
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