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学生たちによる政策立案(3)~求む!夢のような提案
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2012年11月 1日 11:29

 大人が学生に期待するもののひとつに「学生ならではの発案」というものがある。次に発表を行なったのは、そのような大人からの提案に応え「学生ならではの夢のような提案をしよう」と考えて立案した「小郡市に道の駅をつくろう」(井上勝彦小郡市議会委員事務所)だった。

 理想の道の駅として参考にしたのは、千葉県の成田と九十九里浜の間にある道の駅「オライはすぬま」。この道の駅のように、充実した農産物直営所や観光拠点施設を整備し、魅力的なレストランなども設置したいということだった。そしてゆくゆくは小郡市の道の駅を、九州の物産館として発展させたいと語っていた。ちなみに小郡市おススメの観光イベントは七夕祭り、施設は、「総合保健福祉センター あすてらす」だった。

1030_PLANNER.jpg 彼らは完成した企画書を持って小郡市役所を訪ね、実際に企画の提案を行なった。「実現化は難しいができるといいと思う」とコメントをもらったというが、立案した彼らも、無理は承知だったのだと思う。それでも企画を進めることで、改めて故郷・小郡市の魅力に気づいただろう。「PLANNERで大切なのは、企画の出来より、企画を立てていく過程で学生たち自身が学ぶ"何か"にある」JPインターンシップ事業部福岡支部代表の中野さんが言っていたのは、まさにそういうことだ。

 この立案を聞いた後、私もちょっとだけ彼らの夢につきあってみた。「オライはすぬま」にシンボル的なモニュメントがあるのを見て、小郡市の道の駅には、どんなモニュメントを置けばいいだろうと想像してみたのだ。こんなふうに気楽に心に空想図を描いてみることからも、新しいものは生まれてくる。もしかしたら、彼らの企画も、今後別の何かとなって、再び立ち上がってくるかもしれない。

◇ ◇ ◇

 次に発表を行なった「いじめ防止条例をつくろう」(樋口明福岡県議会議員事務所)も、「無理は承知だがぜひとも実現させたい」という思いがひしひしと感じられた。このテーマは、議員側でも心を痛めている問題でもある。会場内の関心は、一気に高まった。学生たちは、いじめをなくすために必要なのは「教師の取り組み」「生徒の取り組み」「親の取り組み」「社会の取り組み」があり、それぞれの立場から何ができるかを考えたという。

 案として「警察への通報の義務化」「先生たちによるいじめ対策グループの結成」「加害児童への処罰」「被害児童の保護」「いじめ防止授業の実施」が挙げられた。(これらを実際に行なっている学校もあるとは思うが、この場では、その調査までは及んでいなかった)これに対しては議員側からはもちろん、インターン生からも意見が出た。例えば立案側から「先生たちが見回っていじめを発見する活動を行なう」という案が出たのだが、「先生たちが見回っても気づかないからいじめなのだ」と異論が出た。

 また「教師へのいじめ防止研修制度があればいいのではないか」という案が出ていたが、これは「いじめ防止授業」ができる教師がどれだけいるのか、という視点からの発言だったのだと思う。
 この件については、私も他で意見を聞いたことがある。いじめ被害者の保護者が、教師の応対に接して「この教師は、いじめに関する根本的な知識がゼロだ」と実感し、それを教えてやらねば、この先いじめはなくならない、と思った、いう話だ。被害者側が「教えてやらねばならない」と思ったというのも、悲しいことだ。

 難しい問題だけに、学生たちの企画に明確な解決案を期待するのも難しい。しかし、改めて聞く側に、問題提起したのは確かだ。

(つづく)
【黒岩 理恵子】

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