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樋渡啓祐氏「田中文科大臣の不認可は妥当か?」~武雄市長物語より(7)
政治
2012年11月 5日 11:17

 NET-IBでは、SNSやブログで情報発信を行なっている、佐賀県武雄市長の樋渡啓祐氏のブログを紹介する。
 今回は、来春開校を予定する3つの大学に対して田中真紀子文部科学相が新設を不認可とした件について首長としての意見を述べている。樋渡氏の11年4日午後11時15分のブログは以下の通り。


田中文科大臣の不認可は妥当か?

 田中眞紀子文部科学大臣が、大学設置・学校法人審議会の答申を覆し、来春開校予定の3大学の設置申請を不認可にしたことで、ほとんどのマスコミが、例えば、産経のように、否定的な見解を述べている。

 果たしてそうだろうか?

 大体、日本のマスコミは、僕もやられ続けてきたけど、過程の適否と決定内容の是非を混同する嫌いがある。今回は良い教科書で、まず、過程(手続)に関しては、何の問題も無い。大学設置・学校法人審議会の答申に関しては、言葉どおり、答申であって、最終的には大臣の広範な決定権限を覆すものでは無く、単純に言えば、単なる参考意見に過ぎない。それだけ、大臣の決定は重いということ。

takeosityo.jpg 僕も、4年前の市民病院の民間委譲に関しては、答申を求めた行革審議会から、私の民営化の意向と真っ向から反対の見解が出てきた。僕はもちろん、参考にするが、結果的には反故。それは、決定とそれに基づく実行に関しての実質的な決定権は、首長が有する。これは当たり前で、もし、民営化が心配した場合の責任は行革審議会はとれない。取れるのはただ1人、首長のみ。だからこそ、首長には広範な実質的決定権限が与えられているのです(ここで実質的と書いたのは、議会が強大な権限、すなわち、議決権を持っていることに配慮して。)。

 それを、産経はまったく分かっていない。もし、審議会どおりにやっていれば、それはそれで、隠れ蓑とかいろいろ言うくせにね。重ねて田中大臣の決定までに関するプロセスは何ら違法性は無い。ここで、自民党もワーワー言っているようだけど、お門違い。

 一方で、決定の内容について見てみると、学校側の思いについて、感情的にはよく分かるが、それとて、責任は形式的には文部科学省に帰属する。それがルールですね。しかし、ここが難しいのは、例えば、地方自治体の場合、大統領制なので、CCC×新図書館構想、市民病院の民間委譲問題であっても、次の選挙でその賛否を問うことができる。

 しかし、今回の場合、その実質的な責任の取りようっていうのが無いんだな、これが。大臣は別に国民が選んでいるわけでもないし、総理も、国会議員が選んでいるに過ぎない。良い悪いは別にして、この決定が間違っているにしても、責任の取りようがないのが実情。今回の場合は、文部科学省も責任の取りようがない。

 その中で、片山元鳥取県知事・総務大臣が、訴訟になったら、文部科学省が負けるって言っているけど、手続に瑕疵(問題)が無く、さらに、決定の内容について、責任の取りようがない状態で、どうやって勝ち負けが言えるんだろうか。この人、大丈夫か。

 ま、いろいろ考えさせる田中大臣の決定劇だけど、現時点では、問題の無い決定だと思います。ただ、関係する学生さんは可哀想。大人に、振り回されているからね。



 樋渡氏のブログはコチラ

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