「竹乃屋」など数多くの飲食チェーンを展開する(株)タケノ・竹野孔社長は昨年から3回に渡りカンボジアを視察。成長著しい経済や意欲ある国民性に魅力を感じ本格進出の検討に入った。竹野氏にカンボジア進出の魅力について伺った。
――海外進出に当初からカンボジアをターゲットにされていたのでしょうか。
竹野 始めは市場の大きい中国を検討していました。10年以上前から視察・調査を行なってきました。ところが事情を知れば知るほど、飲食業にとっては難しい地域であることが分かったのです。今指摘されている「カントリーリスク」ですね。地元有力者とのネットワークが不可欠なうえ独資では無理だと思いました。法律面でも課題が多い。実は異業種ですが出資という形で進出したことがあります。詳しくは触れませんが、残念ながら失敗に終わりました。次に香港を考えましたがこれという場所は日本以上に賃料が高い。そこでカンボジアに目を向けたのです。
――東南アジアにはベトナム、タイ、マレーシアなどもあります。
竹野 もちろん他国も検討しました。マレーシア最大の商業施設からは出店のお誘いもうけました。ですが、その施設には世界の名だたる飲食店が進出しています。現状では競争は難しいと思いました。また、ベトナムでは現地の不動産業者が日本人だったので詳しく話を聞きました。そこで、日本人・外国人観光客向けの飲食店はすでにパイが一杯だと知りました。現地の方を対象とする店舗のノウハウはまだありません。タイも含めて今からの進出では難しいと思いました。
――カンボジアはまだこれからだということですね。
竹野 現在の人口はそれほどでもないですが、急速に増加しています。しかも圧倒的に若い人が多い。ちらほらと日系飲食店も出始めましたが、チャンスに囲まれています。
――逆に言えばインフラ等が整っていないということですか。
竹野 プノンペンとその他の地域は別だと考える必要があります。国境付近などは地雷が数多く残っています。しかし、プノンペンは全く関係ない。水道、電気などインフラは一通り整っています。有名な観光地・アンコールワットがあるシェムリアップも見ましたが町の規模が小さい。プノンペンが先に急成長してその後地方に波及していくという事になるだろうと思います。
――そのほかのカントリーリスクはいかがですか。
竹野 原油を精製する力がないという点ではマレーシア、インドネシアのような急速な発展はないかもしれません。しかし、すでに事業家で大きな成功を手にした人々がいます。関税が異常に高い国ですが、私を迎えに来た人の愛車はレクサスでした。また、親日というのは大きな要素だと思います。私は行政との交渉ごとはしていませんが、官・民問わず歓迎しているという雰囲気は感じます。日本を良く思わない国で起きるようなことはまずあり得ない。
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■(株)タケノ
代 表:竹野 孔
所在地:福岡市博多区博多駅南4-18-27
TEL:092-451-0200
URL:http://www.takeno.co.jp/
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