沖縄の小売業は4大グループに加えて、地場ディスカウントストアのユニオンを加えた5社がしのぎを削りあっている。他県から来るナショナルブランドは渡航運賃が乗せられることで割高で売られているが、特売商品の価格に限って言えば負けていない。
たとえばコカコーラ缶(350ml)を例に取ってみる。
参考までに福岡県筑紫野市のディスカウントストア「ダイレックス筑紫野店」で販売されていたコカコーラ缶(350ml)は11月20日現在で、1本59円で販売されていた(ただし特売ではない)。
<沖縄県内のスーパーの特売価格>
「タウンプラザかねひで」1本59円<特売日11月17日(土)>
「イオン琉球」 1本49円<特売日11月18日(日)>
「サンエー」 1本48円<特売日11月18日(日)>
「ユニオン」 1本47円<特売日11月18日(日)>
※チラシによる売り出し価格。りうぼうストアのチラシでは同上の商品を確認できず。
上記でわかるようにコカコーラ1本を取っても1円を巡る攻防が繰り広げられ、低価格で特売している。特に5社のなかでは企業規模の小さいユニオンが最も安く、他の商品を見ても競合店の価格を意識した低価格を打ち出しているのが印象として残った。1円でも安い商品を買いたいという消費者を獲得するため、競合店同士が価格競争を行なっているのである。
一方、沖縄以外の九州地方ではトライアルカンパニー、コスモス薬品などの台頭で「日本国内においても指折りの激安地区」と言われるが、沖縄はそれほどの価格競争にはなっていない。だが、地場でEDLPを実践するダイレックスとドラッグストアモリが数年前から沖縄に出店。一部地域でEDLPが浸透しつつあるという。「今はまだ他県のディスカウントストアのようなEDLPを実践しているところは少ないですが、いずれ低価格競争になるでしょう」(業界関係者)。沖縄の地場小売業者は他県の低価格帯店舗の進出に戦々恐々としているようだ。
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