＜社員の感動力・使命感が高まる＞
　水道管の再生工事の実績を踏まえて、水廻りのリフォームの相談会にまで企画が発展していく。たとえば、同社がかつて水廻りを工事した西公園近くにあるマンションの隣接の土地で、次のような展示会を開催した。『西公園下住宅にお住まいの皆様へ。オーナー様特別限定企画。水廻り何でもご相談会＆見て触れて体験フェア』と銘打って行なう。すると、マンション居住者、近隣の人たちが、興味を持って立ち寄ってくる。各メーカーのシステムキッチン、ガスコンロ、洗面化粧台、浴槽、トイレなども展示しておく。こういった展示会では、必ず「ウチの風呂の蛇口の水漏れに関して相談したい」といったような相談がある。そうなれば、シメタものだ。

　山本社長は、「お客さまと直接、向かい合ってセールスし工事を請けると、社員たちも必死になって相手に応えようとします。工事が完了してお客さまから『ありがとう』と言われると、社員たちは本当に涙を流さんばかりに感激するのです。『ありがとう』と言ってくれたお客さまは、必ず友達を紹介してくれます。こういう体験をすれば、社員達の使命感はググーンと高まるのですね。やはりお客さまを一から見つけ出すビジネスは、社員１人ひとりを鍛えてくれますよ。お客さまと対面するなかで会得するものは、無限ですね」と語る。

　社員たちが会得するもののなかで、注目すべきは『アピール力』である。言い換えると『営業力』というか『広告力』といったものだ。「お客さまが感謝してくれた。それならば、隣のお宅に案内をかけよう」―と、非常に積極的になるそうだ。また、現場看板の写真を添付している。この現場看板の設置を提案したのも、現場社員だそうだ。「喜ばれる給水管の再生工事を１人でも多くの人たちに伝えたい」という切望感は、使命感に裏付けられたものだ。ユーザーダイレクト（リフォーム・改装工事）ビジネスは、社員の潜在的能力を発揮するものである。

＜暮らしの水廻りアドバイザー集団へ＞
　従来の建設業者からの請負工事は、「納期を守り、工事トラブルを防いで、ミスなく現場をこなして引きわたす」ことが基本である。だから、己の技術力を誠実に駆使する職人の枠に留まっていれば、それでことは済んでいた。しかし、お客とスタートから向き合って工事を完了するまでには、多種多様の配慮が求められる。常識的な気配りに始まって、誠意あるセールス活動から感謝されて次の見込み客をいただけるまでには、担当者の全人格が問われる。

　社員としてみれば、過去においては「請負で仕事が流れてきて、こなして充分な対価が得られればよし」の安易な気持ちに流れるだろうが、「これからはそれだけでは飯は食えない」ことは承知している。山本社長は、「社員全員が、『暮らしの水廻りアドバイザー集団』になれるように努力していきます。そうなれば、我が社も次代を担える会社の資格を握ったと言えるでしょう」と締めくくった。

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＜COMPANY INFORMATION＞
■山本設備工業（株）
代　表：山本　慎一
所在地：福岡市南区那の川1-15-5
設　立：1961年３月
資本金：5,000万円
ＴＥＬ：092-521-2935
ＵＲＬ：http://www.y-s-k.co.jp/

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