小倉記念病院(北九州市小倉北区)を運営する財団法人平成紫川会の小川章理事らが延吉正清理事長・病院長を相手取って理事・理事長・病院長の職務を執行してはならないとする仮処分決定を求めた申し立てを福岡地裁小倉支部(林雅子裁判官)が棄却したことが11月26日までにわかった。決定は11月20日付け。小川理事らは同日、即時抗告するとともに、延吉氏が理事・理事長・病院長の地位にないこと確認を求める訴訟(本訴)を同支部に起こした。
延吉氏は21日、北九州市内のホテルで記者会見した。延吉氏は、病院内の内紛について、新病院新築・移転を実現し病院長・理事長を後任者に譲って退任したいと考えていたところ、「私に後任を選ばせず病院の支配権を奪い取ろうとする企みによって起こったもの」と主張。仮処分棄却決定が出たことにより、「早急に小倉記念病院を元の正常な姿に戻し、後任者の推薦を得て、病院理事長を退任したい」と述べた。後任者について「来る人はすでに決まっている。(小倉記念病院側に)トラブルがあるのですぐに来れない」と答えた。
レンドルミン不正入手疑惑について、延吉氏は「中国に行く前に、処方箋なしで約10錠入手した」と認めた。
一方、財団法人平成紫川会は22日、申し立て後も延吉氏側が院内で怪文書を配るなど行動がエスカレートしてきたため、本訴を準備していた矢先の仮処分決定だとし、今後は仮処分即時抗告の審議と本訴の両方で真相を明らかにしていくとの見解を明らかにした。延吉理事長・病院長が退任後も院外で様々な行動をとっていることを止めるために、仮処分を申し立てたとしている。
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