<Facebookで、誰でも参加可能な会に>
――実践塾では、財務・経営勉強会から人間力向上、目標意識の設定など、さまざまな勉強会を行なっていますね。朝6時半から開始、というのがすごい。
綾戸 力んで参加する必要はないのですよ。良い勉強会に出たからといって、すべて一度で身に着くというものではありません。大事なのは、早朝勉強会に出席したという行動が、自分のなかに蓄積されれば、いずれ何かに変わる日が来ると信じることです。
――それも、夢を持つことが大切だということにつながりますね。しかし、人にお願いしてやっていただくにしても、行動する目的に賛同していただかないことには、引き受けていただけませんね。
綾戸 ええ、塾の講師の方々など、協力していただいている方は、リーダーズ倶楽部の主旨に賛同していただいている、ということです。先ほどの三言の後には、こう続くのですよ。
自らの意思で行動できるリーダーになろう――、(1)「元気な福岡、元気な地域、元気な会社をつくるリーダーになろう」、(2)「社員、家族の幸せを通じ、幸せな社会風土をつくるリーダーになろう」、(3)「夢を実現する創造力、決断力、行動力を持ったリーダーになろう」。
そうありたい、あるいは、そういう人材を育てたいという夢を持った方が、リーダーズ倶楽部の場を使って実践してくださっているのです。
――塾開催の場も、会員の方から提供されていますね。
綾戸 そうです。ほら、『夢』の力ってすごいでしょう。
――しかし、福岡リーダーズ倶楽部の夢が自己中心的であれば、こうはいかないでしょうね。綾戸塾頭を始め、皆さん、手弁当で活動なさっているのでしょう。
綾戸 私自身が自分の利益のために、皆をリーダーにしなければ、と考えていてはだめでしょうね。私はただ、地域を元気にするのは、日本の9割を占める中小企業の経営者ではないかと考えています。彼らが元気良く社会を引っ張ってくれれば、自ずと地域の活力も増すのではないかと呼びかけているだけです。それに応えてくれた皆さんが、自分のなかの力を発揮してくれている。ですから逆に、強く入会を勧めることもしません。来るもの拒まず、去るもの追わず、誰でも参加できるし、無理して拘束されることもない、そんな会にしたいと思っています。
――だから、Facebookを活用されているのですか。
綾戸 そうです。Facebookなら敷居が高くないので、経営者でなくても参加することは可能です。リーダーズ倶楽部で企画するイベントにも参加可能です。現在、239名がつながっています。ただ、会費を納めて活動する会員制度はありますよ。入会金2,000円で、どなたでも会員になれます。
――そうやって会員になっている方は、何人ぐらいいらっしゃるんですか。
綾戸 大体40人ぐらいです。
――ちょうど、会場のキャパシティ的に実践塾に参加できるぐらいの人数ですね。一度には無理ですが。ところで、綾戸塾頭がリーダーズ倶楽部を立ち上げたいと思われたのは、ほかに夢があったからではないですか。
綾戸 そうです。私は、安心・安全で平和な暮らしが持続可能な、皆が平等で幸せに生きる世の中を創りたいのです。子どもの頃からそう考えています。
――とても大きな夢ですね。
綾戸 そうでしょう。だからこそ、そこに行き着くまでに、具体的な、実現可能な目標を立てて、少しずつクリアしていく必要があるのですよ。私にとって、それが『福岡リーダーズ倶楽部』をつくって、世に広める、ということなのです。
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<プロフィール>
福岡リーダーズ倶楽部
塾頭 綾戸 一由 氏
1937年8月、福岡県八女郡に生まれる。92年、福岡銀行退職後に入社した企業の倒産と再建に尽力。93年に(株)アーヴァンを設立し、代表取締役に就任する。10年、福岡リーダーズ倶楽部設立。同時にアーヴァンを退職し、同倶楽部の運営に専念する。
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