インターネットが急速に発展している中国には、数多くのニュースサイトが存在する。そのなかから興味深い記事をピックアップし、中国のいまをさぐる。
中国のインターネットメディア・中国網の10月31日の記事に、日本ではありえない宅配便におけるトラブルが掲載された。記事によると、山東省青島市に住む自営業の女性が民間の宅配業者にパソコン10台の配送を頼んだところ、到着した時、パソコン10台のうち5台が巨大な石の塊にすり替わっていたというものだ。
自営業の女性は北京市の顧客にパソコン10台をダンボール10箱に分けて、民間の宅配業者「全峰エクスプレス」に宅配を依頼したというのだが、到着した顧客からは空箱と、石が入った5つの箱が見つかったという。それを聞いた依頼主は警察に被害届を出したものの、仕事上のトラブルについては介入できないということで、被害届は受理されなかったという。そして、宅配業者に紛失したパソコン6台分(約35万円)の弁償を求めたものの、運送保険に加入していなかったとの理由で、全額弁済を拒否されたという。
中国の「新聞1+1」というニュース番組で独自に調査したデータによると、中国国内の郵便不着率は33%にものぼるという。日本のそれが、0.0015%と言われているので、実に2,000倍以上だ。郵便に対する不信感からか、中国人でさえも、近場ならバイク便、遠隔地なら日本のクロネコ便、EMSなどを利用するのが主流になっているという。
郵便がただ単に届かないだけでも、日本人の我々には驚くべきことだが、重さの帳尻をあわせる目的で、わざわざパソコンの代わりに石を入れるとは、今回の一件は、犯罪を通り越して、ジョークにすら思えてしまうのである。
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